【調査書10枚目】 ページ10
*Kiyo side*
昨日、国民を一人殺し損ねた。
きっとあの死体も、俺らの顔だってハッキリ見たハズだ。
おまけにアイツに引っ掻かれた右腕の傷。
血が止まらなくて、大変だった。相当の力があった。
あのあと、入国入り口の兵士に、「何がなんでも国から誰も出すな」と言った。
足をやったんだ。簡単に移動なんて出来るハズがない。
にしても、足の速い奴だったな…あんなの、この国にいたんだな。
気分が晴れないまま、朝食を食べに、王室に向かう。
「……あ」
途中、Aに会った。
「……なんだよ」
「いえ。…先にどうぞ」
道を譲るA。
わざとそっけないようにしている感じがイラッとくる。
Aの前を通りすぎると、アイツが少し右足を引きずっているような気がした。
.
「おはよぉーキヨ〜Aちゃ〜ん!」
「おはようございます。A様、昨日はよく眠れましたか?」
「はい、とても。フジ…さん、タメでいいですよ」
「A様は本当に敬語しか話せないんですね?w
…分かった。俺はタメでいくよ」
ヒラとフジが、もうすでに王室にいた。
俺はいつも通り、フジの隣の椅子に座る。
Aはヒラの隣に誘導されて座った。
「じゃあ、どうぞお召し上がりくださいませ。」
フジの声で、皆がナイフとフォークを手にする。
俺は基本食べるものに興味はねぇから、今なに食ってるかすらも分からない。
食べ終わると、Aは足を引きずって王室を出ていこうとした。
「…Aちゃん、足どうしたの?」
俺が思ったことを、ヒラは聞いた。
「…ベッドを降りるときに、体勢を崩してしまって…挫いたみたいなんです。」
「そうなんだ。手当てする?」とフジ。
「いえ、大したことではないですし、政務に支障は出ないので。」と断るA。
それだけ言って、Aは王室を出ていった。
ヒラがぼそっと呟いた。
「…心配だなぁ。」
今のところ、誰も国から出ていない。
まだアイツはこの国に潜んでいるのか…。
はやいとこ見つけて、排除しなきゃな。
22人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ココ@ヒラ厨(プロフ) - うん。その方がいいと思う。よろ (2016年9月25日 14時) (レス) id: ea35fa2c7e (このIDを非表示/違反報告)
清香-きよか-(プロフ) - ココ@ヒラ厨さん» ん?続編作ったほうがいいの?過去編とか、本当にその後の物語とか (2016年9月19日 8時) (レス) id: 84c3aa1eff (このIDを非表示/違反報告)
ココ@ヒラ厨(プロフ) - あああああああああああああ・・・終わっちゃったよぉ。おもしかっったよお。(泣)本当におつかれ。次回作もぜったい見るね! (2016年9月18日 23時) (レス) id: ea35fa2c7e (このIDを非表示/違反報告)
ココ@ヒラ厨(プロフ) - 返信遅くなったわ。今までしらーっとしててごめんなw今回もおもしろかったよ。がんば (2016年9月17日 10時) (レス) id: ea35fa2c7e (このIDを非表示/違反報告)
清香-きよか-(プロフ) - ココ@ヒラ厨さん» ありがとうございます!!明日は10時過ぎくらいにもうココの家行っちゃうから!!!!!!! (2016年9月10日 17時) (レス) id: 84c3aa1eff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ