【調査書9枚目】 ページ9
「…………ん…?」
微かに悲鳴が聞こえた気がする。
私は聴力に優れている。300m先までの音なら明確に聞き取れる。
周りの音が無い、または、寝ている時の場合のみだが。
でも、微かに聞こえる………
何かを刃物で切り裂くような音と、悲鳴が。
_____まさか。
アイツらが行動を起こしたのではないか。
大問題だ。
……でも、これは情報の一つとして諜報できるのか?
……でも、人が殺されてると分かっているのに、見逃すわけには……!!
ダメだ。助けに行かないと!!
バレたくない。一応マントを羽織っていこう。
黒のマントを身に纏い、誰かにバレたら危ないから、窓から飛び降りた。
「……こ、ここ、は……」
国王の感情象徴の噴水の前。
見るに無惨な遺体達だった。
首が裂け、目が抉られたような…これ以上見ていられない。
「アイツらは……」
辺りを見回すが、二人がいる気配はない。
だが許せない。見つけて、正体がバレない程度に……
.
.
「あれ?まだ残ってた?」
「あ?……マジかよ」
後ろを振り返ると、二人がいた。
気配を消していた…?恐ろしい。いつの間に!
「しょうがないなぁ…見られちゃったし、殺るしかないかぁ。
_______キヨ。」
ヒラのかけ声と同時にキヨがこちらに走り出す。
「はっ!?コイツはやっ……!」
当然だろう。私はディフェルイチの俊足だ。
「ヒラ!足!!!」
………足!?しまった!!!!
ヒラは剣の他に弓も持っていて、私の足めがけて矢を放った。
ピンポイント。右足のふくらはぎに刺さった。
「っ、!」
痛みに耐えながら、煙幕を放ってその場を紛らわす。
このままじゃまともに戦えない。
向こうも私だってことに気付いていないから、本気だ。
「っ、くそ、待て!!!!」
キヨに手を掴まれた。
爪を立ててキヨの腕を思いきり引っ掻く。
「あ"ぁ"っ!?!?チッ、くそっ!!」
手は離れ、私は森に逃げた。
二人はもう追ってくることはなくなったが、
矢の刺された部分は痛すぎて動かせない。
右足を引きずりながら、城へ向かった。
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ココ@ヒラ厨(プロフ) - うん。その方がいいと思う。よろ (2016年9月25日 14時) (レス) id: ea35fa2c7e (このIDを非表示/違反報告)
清香-きよか-(プロフ) - ココ@ヒラ厨さん» ん?続編作ったほうがいいの?過去編とか、本当にその後の物語とか (2016年9月19日 8時) (レス) id: 84c3aa1eff (このIDを非表示/違反報告)
ココ@ヒラ厨(プロフ) - あああああああああああああ・・・終わっちゃったよぉ。おもしかっったよお。(泣)本当におつかれ。次回作もぜったい見るね! (2016年9月18日 23時) (レス) id: ea35fa2c7e (このIDを非表示/違反報告)
ココ@ヒラ厨(プロフ) - 返信遅くなったわ。今までしらーっとしててごめんなw今回もおもしろかったよ。がんば (2016年9月17日 10時) (レス) id: ea35fa2c7e (このIDを非表示/違反報告)
清香-きよか-(プロフ) - ココ@ヒラ厨さん» ありがとうございます!!明日は10時過ぎくらいにもうココの家行っちゃうから!!!!!!! (2016年9月10日 17時) (レス) id: 84c3aa1eff (このIDを非表示/違反報告)
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