【調査書4枚目】 ページ4
*翌朝*
「………ん、朝か。」
眠い目を一気にパッと開けて、重い体をベッドから降ろす。
この国では、朝イチに、『募金』というものがあるらしい。
目的は、国の資金集めだという。
………それじゃまるで『税』だ。
税とは、この世界での犯罪。禁忌。
それなのに、この国では、『募金』と嘘までついて税を集めている…犯罪国だ。
やっぱり世界の常識が通用しない。危ない国なのだ。
「逆らえば殺されるんだろうな…行こう。」
わずかなお金を持って、家を出た。
募金場所には、すでに何人かの大人の人がいた。
その輪の中に入って、挨拶をする。
「おはようございます。今日からお世話になります。」
「おはよう。こちらこそよろしくね。分からないことがあったら言ってね」
「移住国民のあなたが来てくださって、少しは楽になるわ。
この国は、短命な国民が多いですから……」
そういって言葉を失う女の人達。
黙って募金をするお年寄り達。
_____きっと、子供にもそう言っているんだろう。
大人も知ってるんだ。王様達によって国民が殺されていることを。
でも、……やはり逆らえないんだろう。
私も何も言えず、立ち尽くしていると、後ろから声をかけられた。
「おねーちゃん!お名前なんていうの?」
可愛らしい女の子だった。
「Aよ。あなたは?」
「私はユキ!」
「ユキちゃんか。これからよろしくね。」
そういって握手をすると、ユキちゃんはニッコリと笑顔を見せた。
こんな冷酷な国でも、純粋な子供はまだいるんだ、と少し安心できた。
それと同時に、向こうに子供達が集まっているのも見えた。
疑問に思ったので、ユキちゃんに聞いてみる。
「ユキちゃん、あれ、何してるの?」
「あっ、今ね、皆と遊んでくれるおにーちゃんが来てるの!」
「そうなんだ。おにいちゃんのお名前は?」
その子が発した名前は、信じられなかった。
.
「_____フジおにーちゃんっていうんだ!」
22人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ココ@ヒラ厨(プロフ) - うん。その方がいいと思う。よろ (2016年9月25日 14時) (レス) id: ea35fa2c7e (このIDを非表示/違反報告)
清香-きよか-(プロフ) - ココ@ヒラ厨さん» ん?続編作ったほうがいいの?過去編とか、本当にその後の物語とか (2016年9月19日 8時) (レス) id: 84c3aa1eff (このIDを非表示/違反報告)
ココ@ヒラ厨(プロフ) - あああああああああああああ・・・終わっちゃったよぉ。おもしかっったよお。(泣)本当におつかれ。次回作もぜったい見るね! (2016年9月18日 23時) (レス) id: ea35fa2c7e (このIDを非表示/違反報告)
ココ@ヒラ厨(プロフ) - 返信遅くなったわ。今までしらーっとしててごめんなw今回もおもしろかったよ。がんば (2016年9月17日 10時) (レス) id: ea35fa2c7e (このIDを非表示/違反報告)
清香-きよか-(プロフ) - ココ@ヒラ厨さん» ありがとうございます!!明日は10時過ぎくらいにもうココの家行っちゃうから!!!!!!! (2016年9月10日 17時) (レス) id: 84c3aa1eff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ