【調査書18枚目】 ページ18
「出てこいよぉ!!黒マントよォ!!!」
遥か前方で鎌を振り回すキヨ。
私は今どうしたらいいのか分からないでいる。
私を誘拐した犯人が私だなんて……変に辻褄が合ってしまったようだ。
「悪いことはしないよぉ〜?出てきてくれるといいなぁ〜」
狂気を隠しきれない楽しそうなヒラの声も聞こえる。
しょうがない。ここはひとまず黒マントを脱いで…煙幕を。
ボワッ!!
「あっ、そこだな!待て!!!」
キヨがこちらに向かって全力で走ってくるのが見える。
私はマントの中にロケット花火を入れて、国の塀の外に向けて飛ばした。
「あっ、くそ!!!!国外に逃げやがった!!!」
「Aちゃんいる!?」
ヒラも全力でこちらに向かってきた。
私はそのまま茂みに座り込んでいた。
「Aちゃんいた!良かった…無事で本当に良かった……!!!」
まるでなくしていた宝物を見つけたような顔をして、ヒラは私を抱きしめた。
「不用心なんだよお前は。だから誘拐なんてされんだ」
そっけないことを言いつも、「良かった」と呟くキヨ。
「ごめんね…俺がボサッとしてたばっかりに…怖い思いさせちゃって…」
自分を責め立て、今回のことを自分のせいにする執事らしいフジ。
この三人を見て、「自分は守られているんだなぁ」と感じた。
この国の『姫』ということを、思い知らされた気がした。
.
.
「Aちゃんおはよう!」
「………あの、国王様、これは」
今私はとんでもない状況にあることを、起きてから気付いた。
「ん?これ?四人で仲良く寝ただけだよ?」
「あぁ…?うっせーな。も少し寝かせろよ」
「ふぁ〜…こうやって全員で寝るのもいいね」
…………………………。
「なにしてんのよ?!?!」
自分の口調が変わったことに気付いて、口を抑える。
すると三人は顔を合わせて「やった」と笑って、私の顔を見た。
「「「おはよう、A姫」」」
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ココ@ヒラ厨(プロフ) - うん。その方がいいと思う。よろ (2016年9月25日 14時) (レス) id: ea35fa2c7e (このIDを非表示/違反報告)
清香-きよか-(プロフ) - ココ@ヒラ厨さん» ん?続編作ったほうがいいの?過去編とか、本当にその後の物語とか (2016年9月19日 8時) (レス) id: 84c3aa1eff (このIDを非表示/違反報告)
ココ@ヒラ厨(プロフ) - あああああああああああああ・・・終わっちゃったよぉ。おもしかっったよお。(泣)本当におつかれ。次回作もぜったい見るね! (2016年9月18日 23時) (レス) id: ea35fa2c7e (このIDを非表示/違反報告)
ココ@ヒラ厨(プロフ) - 返信遅くなったわ。今までしらーっとしててごめんなw今回もおもしろかったよ。がんば (2016年9月17日 10時) (レス) id: ea35fa2c7e (このIDを非表示/違反報告)
清香-きよか-(プロフ) - ココ@ヒラ厨さん» ありがとうございます!!明日は10時過ぎくらいにもうココの家行っちゃうから!!!!!!! (2016年9月10日 17時) (レス) id: 84c3aa1eff (このIDを非表示/違反報告)
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