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【調査書11枚目】 ページ11

良かった。キヨ達は気付いていないようだった。

でも、どちらにせよ、昨日自分達の目の前に現れた「謎の国民」は、
なんとしてでも殺そうとするハズだ。

どうしようか…情報を集めきるまでバレたくはないが……。

とりあえず、この足で歩く姿を、なるべくアイツらには見せないようにしよう。

私はこの国の情報を集めて報告して、お兄ちゃんを探してもらわなきゃいけないんだ。



私の母は病弱で、今も死ぬか死なないか危ないところ。

私が、右大臣として、
国に大いに貢献するようになったのも、母が少しでも楽になるように。

その母がこの前いきなり、「実はお前には、兄がいるんだ」と言った。

探してほしい。探して、私の死の間際に立ち会って欲しい。母はそう言った。

私はそれを信じて、兄を探すことにした。

兄は小さい頃、人を殺しかけて国を追い出されたそうで。

なら、人を殺す噂の絶えないあのヒジキ王国にいるのではないかという考察が完成した。

それを国王に相談したところ、
「ならお前に任務も頼もう」と言われて、
今に至る。

「…はやく、私のお兄ちゃんを」

私自身もお兄ちゃんに会いたい。今、どこにいるの…?

すると、私の部屋の扉を誰かがノックした。

「はい。どうぞ」

「やぁAさん。気分はどう?」

部屋に来たのはフジと。

「フジの付き添い」

キヨ。

「…なんですか?」

「いやいや、君は姫でしょ。こうやって執事とか大臣と話でもしないと。」

「そうですね」

「それにお前今日人前に出るだろ。準備くらいしとけ」

キヨに最もなこと言われると腹立ってくるのはなぜだろうか。

「…ドレスとか、よく分かりません」

「え?」

右大臣は基本かっこいい服しか用意されないものだったし、
この前のドレスだって、とりあえず着ただけだし…。

「…まぁ、確かにそういう服着なさそうだよね。
着たら絶対可愛いのに。」

さらっと普通の女の子ならきゅんっときちゃうような言葉を発するフジ。

「キヨは昔からなぜかヘアセンスとかファッションセンスに溢れている人だったよね。」

「…おいフジ。それ、俺にやれって言ってる?」

フジは微笑んで、キヨに無言の威圧をかける。

フジの威圧にさすがのキヨも勝てないようだ。

「……わーったよ。おいA。そこのドレッサーの前に座れ」

命令されるがままに、私はひょこひょこ足を引きずってドレッサーに向かった。

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ココ@ヒラ厨(プロフ) - うん。その方がいいと思う。よろ (2016年9月25日 14時) (レス) id: ea35fa2c7e (このIDを非表示/違反報告)
清香-きよか-(プロフ) - ココ@ヒラ厨さん» ん?続編作ったほうがいいの?過去編とか、本当にその後の物語とか (2016年9月19日 8時) (レス) id: 84c3aa1eff (このIDを非表示/違反報告)
ココ@ヒラ厨(プロフ) - あああああああああああああ・・・終わっちゃったよぉ。おもしかっったよお。(泣)本当におつかれ。次回作もぜったい見るね! (2016年9月18日 23時) (レス) id: ea35fa2c7e (このIDを非表示/違反報告)
ココ@ヒラ厨(プロフ) - 返信遅くなったわ。今までしらーっとしててごめんなw今回もおもしろかったよ。がんば (2016年9月17日 10時) (レス) id: ea35fa2c7e (このIDを非表示/違反報告)
清香-きよか-(プロフ) - ココ@ヒラ厨さん» ありがとうございます!!明日は10時過ぎくらいにもうココの家行っちゃうから!!!!!!! (2016年9月10日 17時) (レス) id: 84c3aa1eff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:清香-きよか- | 作者ホームページ:http://なし  
作成日時:2016年8月16日 21時

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