出張 ページ39
2日後──
『まさか、また来ることになるなんてね…』
マンションを見上げながら、私は大きく深呼吸した。
溜息じゃない、深呼吸！心の持ちようだよ。
エントランスのインターホンを押し、「はい」という返事のあと、私は『おはようございます。「レウガ家事代行サービス」のAです』と挨拶した。「おはざまーす！どうぞー」と軽い口調でキヨが応えたあと、エントランスの自動ドアが開いた。
コンシェルジュに挨拶し、エレベーターに乗り込んだ。
上昇する重力と共に、キヨの家事代行をし始めた時のことを思い出していた。緊張していた頃のことを思うと、少しは慣れては来たが、1週間ぶりに彼と会うことに胸がドキドキして来た。
エレベーターが開き、降りようとすると、そのキヨが目の前に立っていた。私は『え！？』と声を上げた。
「あ！ お久しぶりですAさん！」
『キ…キヨさん？』
白いキャップにオシャレなクリーム色に柄が描かれた服、それに深緑色のパンツを合わせた出で立ちだ。
まさかエレベーターホールで待っているとは思っていなく、胸がギュッとなった。
「ごめんなさい。驚かせちゃって。部屋に上がってもらうより、そのまま行った方がいいかなって思ったんで」
頭の後ろに手を回しながら彼は言った。
『いいえ、大丈夫です』
気の利いた言葉でもかけてあげればよかったなと今更になって思った。
「じゃあ、行きましょうか」
『はい』
一緒にエレベーターに乗り込み、キヨはボタンを押した。私は隣に立つのは忍びなく、一隅に身を縮めた。ふと、壁際のエレベーターボタンを見ると、B2が光っている。
『ロビーではないんですか？』
てっきり、外に出るとばかり思っていた。
「ん？ 駐車場ですよー」
駐車場…？ もしかして…車で移動するの？
マンション地下駐車場──
地下1階と2階に広がっており、ファミリー用のワゴン車やスタイリッシュなスポーツカーが並んでいる。眺める暇もなく、私はキヨについて行った。時折こちらのことを気にしながら歩いてくれるのに優しさを感じて、心が温かくなった。
キヨは
赤色のレクサス。
キヨは助手席のドアを引き、先に乗せてくれた。恐縮しながら乗り込むと優しくドアを閉めた。
運転席に乗ったキヨがエンジンを吹かす。
急遽始まったドライブデート…？
胸がまたドキドキして来た。
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いと(プロフ) - 美李菜さん» 美李菜様、コメントありがとうございます！ キュンキュンしてくれて嬉しいです（？）続き、いつになるかは分かりませんが、折を見て書きたいと思います。最俺部分も書きたいなとは思っていますし、【レウガ】をまだ辞めてはいないのでね（笑）ありがとうございました！ (7月30日 8時) (
レス) id: 859fd3194a (このIDを非表示/違反報告)
美李菜(プロフ) - 完結おめでとうございます！キュンキュンしました！良かったら続きを書いてください！楽しみにしてます！ (7月29日 22時) (レス) @page50 id: 837e5cee0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2023年6月8日 10時
