通知 ページ38
「今日はありがとうね！ またお願いしてもいいかな？」
15時になり、私は門扉まで出た。
例の如く、ガッチさんは見送ってくれた。
『もちろんです。いつでもご利用お待ちしてますね！ では、お邪魔しました』
「駅まで送ろうか？」
『いいえ、そこまでしていただくわけには！』
胸の前で勢いよく手を振って断った。
「そっか…残念だなぁ」ガッチさんは一瞬悲しそうに眉を下げたが、すぐ笑顔になった。「ふふふ、気をつけて帰ってね！」
『ありがとうございます。失礼します』
家から曲がり角に差し掛かるまで、ガッチさんは満面の笑みで両手で大きく振り続けていた。
5時間前、ガッチさんを疑ってしまった自分を恥じた。
想像以上の人だったけど、とても優しいお父さんな感じにとても癒された。
小さく手を振り返し、私は東京へ戻った。
────────────────
翌朝、出社し、会社用のスマホを起動してから、牛沢さん、レトルトさん、ガッチさんの代行完了報告書を作成した。
すると(ピロンッ)と共通通知が鳴った。
スマホを見ると、依頼主はキヨとあった。私は目を見張ったが、また依頼してくれたことに少し喜びを感じた。
家事代行内容を確認してみると、部屋の掃除・風呂、トイレ掃除と書かれていた。
さらに自由記入の〈一言〉欄には、少し長い文で書かれている。
「出張ってお願いできたりしますか？ 私の家じゃなく、別宅の家事代行をお願したいんですが、よろしいですか？ 待ち合わせは私のマンションで。そこから移動したいと考えています。よろしくお願いします」
私はすぐさま、承諾の返信をした。
【レウガ】では出張は稀にある。
昨日のガッチさん宅も出張扱いになっていて、少し割高になっているが、距離によって100円単位で加算される。
ただ、今回待ち合わせがキヨのマンションとなっているので、その場から移動となると、注意が必要となる。キヨに限ってないとは思うが、誘拐される危険性と襲われる可能性もある。
午後になって出社して来た所長の久米さんにその旨を報告すると、そう注意喚起された。
『充分注意をして業務に励みます』
決まり文句と化した台詞を放つと、久米さんは軽く頷き出張許諾書にサインをしてくれた。
それにしても「別宅」という言葉に若干の期待をした。
動物のぬいぐるみと草木の飾りと季節感を感じさせないインテリアが広がる、“あの”家を思い起こさせた。
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いと(プロフ) - 美李菜さん» 美李菜様、コメントありがとうございます！ キュンキュンしてくれて嬉しいです（？）続き、いつになるかは分かりませんが、折を見て書きたいと思います。最俺部分も書きたいなとは思っていますし、【レウガ】をまだ辞めてはいないのでね（笑）ありがとうございました！ (7月30日 8時) (
レス) id: 859fd3194a (このIDを非表示/違反報告)
美李菜(プロフ) - 完結おめでとうございます！キュンキュンしました！良かったら続きを書いてください！楽しみにしてます！ (7月29日 22時) (レス) @page50 id: 837e5cee0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2023年6月8日 10時
