買い出し 〜your side〜 ページ11
買い出しのメモを見ながら、ふっと笑みが零れた。
〈苦手なもの:きゅうり〉と手書きで書いてくれた字を眺めながら、緩む頬を抑えた。
カートの上下にカゴを置いて、ものの30分で１週間分の食材で満杯になった。
リストにはなかったけど、キヨが好きな綾鷹を3本と、個人的な買い物もカートの隙間に入れた。
初めてキヨに会って、動画とは違う、そっけない印象を受けたけど、余り人を家に入れたがらない人だって察したし、ショックは特になかった。何せ、余りコラボしない“鎖国”だからね。
それに、オンとオフがあるからこそ、キヨの動画が面白いんだもん。
でもよく考えれば、TOP4実況の時と雰囲気が同じだったなぁ。やっぱり4人の中で年下だから、素の感じが出ていたのかな？
「…ん？ 何考えてんの私…」
ちょっと依頼主から離れたからってオタクを出すのはやめなさい、と自分に鞭を打ち、要らぬ考察を払い去って会計を済ました。
カゴをサッカー台に置いて、いくつも持参したエコバッグに詰めた後、マンションへの帰路を通った。
合鍵でオートロックを開け、部屋のドアにも合鍵を差し込んだ。
「ただいまでーす」と小声で言った後、リビングのドアが開き、キヨが駆け寄ってきた。
そして無言で、持っていたエコバッグのうち、2つも持ってくれた。
思ってもみなかった行動に、私は驚いたと同時に嬉しくなった。
『ありがとうございます』
キヨの背中に向かってお礼を言った。彼は黙ったままスタスタとキッチンにバッグを置いてくれた。
後ろからついて行き、置いてくれたエコバッグから食材を取り出していると、
「なんか、手伝う事ありますか？」
とキヨが言ってきた。優しい気遣いに心が温かくなった。しかし、家事は私の役目だ、依頼主にさせるわけには行かない。
『大丈夫ですよ！ ──あ、そうだ、これどうぞ』
私は買ってきた綾鷹を差し出した。
キヨは驚いた表情になった。
『飲みたいかなと思って買って来ました。あぁ、個人的に買ったので料金は不要です』
「……」
神妙な面持ちでキヨは黙り込んでしまった。首を傾げていると、彼はゆっくりと言った、
「なんで……俺の好きな飲み物を知ってんですか？」
『え？』
しまった…。
スーパーで舞い上がってしまい、キヨの好きなものを買ってきてしまった。
綾鷹が好きな情報は、買い物リストにも、プロフィール欄にも載っていなかった。
冷蔵庫にも無かったはず…。
冷や汗が首筋を伝った。
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いと(プロフ) - 美李菜さん» 美李菜様、コメントありがとうございます！ キュンキュンしてくれて嬉しいです（？）続き、いつになるかは分かりませんが、折を見て書きたいと思います。最俺部分も書きたいなとは思っていますし、【レウガ】をまだ辞めてはいないのでね（笑）ありがとうございました！ (7月30日 8時) (
レス) id: 859fd3194a (このIDを非表示/違反報告)
美李菜(プロフ) - 完結おめでとうございます！キュンキュンしました！良かったら続きを書いてください！楽しみにしてます！ (7月29日 22時) (レス) @page50 id: 837e5cee0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2023年6月8日 10時
