1話 ページ2
「そんなこと言われても……初対面ですよね? 私たち」
「そう、ですが……」
しゅん、と落ち込む金髪褐色イケメン。普通の女性ならその姿にキュンときて話だけでも……となるかもしれないが私は違う。だって、巻き込まれた絶対面倒な匂いがする! ただでさえ呪術師という仕事柄、面倒臭いことと多々遭遇しているというのに自ら飛び込むはずがない! あと初対面の男に簡単に落ちる女ではない。
「貴方だったら引く手数多でしょうし私じゃなくてもいいでしょう」
「あ、あなたでないと困るんです」
面倒臭いなこの男。他の人に言えばいいのに。ちらりと横目で店内を見回すがうん、私しかいない。人通りは多いけれど、今日は平日。お昼の時間もとっくに過ぎてるからしょうがないっちゃしょうがないけど。
「そんなこと言われても私だって困ります」
「一瞬! 一瞬でいいんです! ある人に会う間だけでいいので!」
埒が明かない。もうこの店から出ようとした瞬間、右手首を掴まれる。女とはいえある程度は鍛えているので振り解けると思ったのに。……いや全然振り解けないな!? 力強すぎ。あなたはゴリラにでも育てられたのか?
「離してくれません?」
「あなたが僕の話を聞くと言ってくれるなら離しますよ」
「…………話を聞けば離してくれるんですね?」
・
「……なるほど、お店に通う女子高生からしつこく付き合ってくれと言われて困っていると」
「はい」
「そしてある日彼女がいるので付き合うことが出来ないと丁重にお断りしたにも関わらず、次は彼女を見せろと言ってきたと」
「はい」
「そうですか…………いや私も無理ですね」
何でですか!? と言われても。話を聞けば手を離してくれるって言うから聞いただけであって、協力するなんて一度も言ってないし。
「私にメリットがないじゃないですか。あなたはいいかもしれないですが私はただただ時間を浪費するだけ。何かを得たいのならそれなりのものが必要では?」
「…………では、料理をあなたに無料で提供する。これでどうです?」
「どう、とは?」
「ここにはお昼ご飯を食べに来たんじゃないですか? 入店する前にランチメニューの時間を気にされていたようですし……違いますか?」
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あまね(プロフ) - 終わってた!? (4月3日 15時) (レス) @page26 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
口十 糸会 _かなえ_ - めちゃくちゃ面白いですっ!!!これからも頑張ってください!!ずっと応援してます!!!!!! (2022年5月5日 17時) (レス) @page6 id: 744ea465a5 (このIDを非表示/違反報告)
RIN - 面白かったです!!!!続き下さい!!!!!!!!!!! (2022年5月5日 11時) (レス) @page6 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年5月5日 2時) (レス) @page4 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おうじ | 作成日時:2022年5月4日 15時