【キヨ】誰にも譲るワケがない【実況者】

第十三話 ページ15

.





『…フジ！？それに、…ヒラ！？』





それは確かに、中学高校を共にした友達の名前。

そう思うと、二人には何処か面影があった。





『え、…言われないと気づかなかった…』



フジ「え、どういう意味だよ」



『大人っぽくなったってことだよ！』



ヒラ「え？本当？わーい！」





なんて、言ってみたけど、

ヒラのそのふわふわした癒し系な所は変わらない。



フジだって、整った顔は昔のままだ。





『で、二人共何で…？』



フジ「ん、俺達東京で仕事してんだよね、あー、…キヨと、こーすけも一緒」



『えっ、こーちゃんもいるの？』





こーすけ。彼もまた、大切な昔馴染だ。

キヨ、フジ、ヒラ、と来たらこーちゃんは多分オカンポジションなんだろう。

想像したら昔とおんなじで、少し面白い。





『キヨとは昨日会ったんだ！まさか、二人とも会えると思わなかったけど！』



ヒラ「え、…そ、そうなんだ」



『？』





一瞬、フジとヒラの顔が曇る。





「────宮良さん！お客様待たせてるよ！」



『へっ、あっ！ごめんなさい！そ、それじゃあ、また今度ね！』



フジ「あ、…お、おう」



ヒラ「ば、ばいばいっ！A！」





────何か、違和感。

その正体はわからないけど…





その時、





" カシャッ "





『…？…あ、えと、次のお客様、どうぞ！』





何処かで、微かに、

シャッター音が聞こえた気がした。





.

第十四話 side : キヨ→←第十二話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す