もう失いたくないから ページ23
キヨside
夢を見た。
Aちゃんが、急に俺の傍からいなくなる夢。
吉原くんの件もあって、自分の中で彼女を失うことにかなり恐怖がある。
めちゃめちゃ怖かった。
だから、どうしても慎重になる。
A「キヨくん?どうしたの?」
ボーッとしていたらしく、そう問われる。
夢を引きづってた俺は、らしくない事を言ってしまった。
キ「……Aちゃんはさ、急に居なくならねぇよな?」
A「んー、ここを出ることは考えてるけど…?」
キ「え?なんで?出る必要ないじゃん。」
A「キヨくんが家賃と食費払わせてくれたら出ていかないよ。」
キ「まだ気にしてんの?」
A「……なんのためにバイトしてると思ってんの。そういう意味でしてるんだよ?」
キ「やだ!それはさせねぇ!」
A「なんで!私、彼女なんだよ?同じ立場でいたいじゃん。」
結局、俺らは朝から言い合いをして、そのままAちゃんはバイトに行ってしまった。
かなりタメで話すことに慣れてきたAちゃんは、前よりも想いを伝えてくれるようにはなった。
が、俺と平等な立場でいたいらしく、こんな風に言い合いをすることも増えた。
俺の事を一般人として考えてくれてることは本人から聞いたし分かってるけど、圧倒的に俺の方がお金はあるし。
Aちゃんのバイト代は好きなことに使ってほしいし。
フ「それで機嫌があまり宜しくないわけだ。」
ヒ「払うって言ってるんだから、払ってもらえばいいんじゃない?」
こ「キヨのプライドがあんだよな。」
キ「まぁな。それに、家事全般やってもらってるしそれでいいというか。」
フ「いっそ、2人の動画も上げちゃえば?」
キ「バカか?」
こ「面白そうかも笑」
ヒ「キヨも遂にカップルYouTuber?笑」
キ「それだけは絶対やらねぇ!」
こいつらに相談してもまともな答えは返ってこないのは分かってた。
何も解決しないままモヤモヤと家に帰る。
まだAちゃんは帰ってきておらず、部屋が暗かった。
玄関にボーッと立っていると扉が開き、「うわぁ!」っと声がした。
キ「あ、おかえり。」
A「ただいま…。中、入らないの?」
キ「俺も今帰ってきたとこでさ。」
A「そうだったんだ。おかえり。」
朝のことはなかったかのように優しく言葉をくれる。
言い合いが増えても、大事の喧嘩にはならないのは、Aちゃんがいつも折れてくれてるからなんだなとしみじみ感じた。
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えぬ(プロフ) - RX-00さん» 最初から読んでくださってありがとうございます!会話部分は勢いで書いていて、私の中のキヨくんの叫びが出ちゃいました笑 これからも楽しんで頂けるように書いていきますので、ぜひ、よろしくお願いします🙇♀️ (2022年7月20日 16時) (レス) id: 467f387b94 (このIDを非表示/違反報告)
RX-00(プロフ) - 初めまして。パート1から読んでます。キヨくんの発言する言葉ひとつひとつがキヨくんの声で脳内再生されて、毎回笑わせてもらっています!「ガッチさんにときめかないで!」が個人的に大好きです(笑) (2022年7月20日 16時) (レス) @page47 id: d76f713c2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えぬ | 作成日時:2022年6月5日 21時