原石の姫と雪男たち (ページ32)

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阿「ここはこうだから？」

「この公式だ！」

阿「そう！正解！すごいじゃん」

「天才！」

阿「はい、浮かれない」

レッスン場の片隅で問題集を開き勉強中

すんなりと頭に入るから教えやすい

元々の基礎はできてるからなんとかなる。

学校行っても前まで忙しいが故に寝てることが多かったみたいでちゃんと授業受けれてないみたい。

「阿部くんすごいね、勉強もできて、お仕事もして…」

阿「俺は勉強するの好きだからね、それがお仕事のためになるのならって感じだし。人それぞれだよ。」

「そっか…阿部くんいてよかった、」

ってニコッとしてまた問題を解き始めた。

この子のさりげない言葉に何回助けられたかわからない。

俺だけじゃなくてきっとそんな人は多いと思う。

「あー、もう、わかんない阿部くん助けて〜」

大人っぽくて忘れるけどやっぱ高校生なんだな、

初めて会ったのは小学生の時って考えたらめちゃくちゃ大きくなったな…

そんな歳変わんないけど、やっぱ俺らからしたらAは大事な妹。

この勉強期間でもっと仲良くなれたし、阿部くんから阿部ちゃんに呼び方も昇格した笑

数年後にはあべべになるんだけど、いつか亮平って呼んでくれるかなー？

「阿部ちゃーーん！！卒業できる！！！」

阿「ほんと？！よかったじゃん！」

「ありがとう、ほんとにありがと！！」

そう言って抱きついてきたから受け止めると

「阿部ちゃんのおかげだ〜、今度お礼するね！」

ってニコニコしながら見上げてくる

阿「いいよ、そんなの。俺も楽しかったし」

初めて頼ってくれて、助けてって言ってくれたことが嬉しかった。

もっといろんなことで頼ってもらえるようになりたい。

にしても可愛いな…。