129話 ページ6
「俺、ほんとにAのこと大切で、好きだし、…かけがえのないマネージャー、だし
だからこそ、白布のことが好きなんだったら応援したいし、するべきなんだろうけど、今のAは、ただご機嫌取り…っていうか、抑えるためっていうか、Aが白布と本当に行きたいから誘うように見えない
そりゃ、俺と仲良くなったのは高校からで、Aのこと、白布とかより全然知らないけど、他の学年の部員に比べたら、Aのこと知ってるつもり
そんな俺が、そう、思ってしまう」
秀から吐き出される言葉に、否定ができなかった。
私は、賢二郎からの好意をないがしろにしたくなくて、出来なくて、健二郎との繋がりを無くしたくなくて、誘ってるだけ、かもしれない。
実際、IH終わってから会うどころか、LINEもしてないし、あっちからの連絡も来ない。
避けられてるのかな、まあ、振られた(?)相手だし…。
そりゃ、花火大会誘うとかの前に、ちゃんと話しなきゃだよね。
うん、秀、ありがとう。
「秀の言う通りだよ
結局人間って、自分のことを好いてくれている人間に嫌われたくないって気持ちが強いんだろうね
私みたいに、ね うん
…うん、今日、賢二郎と話してみるね、ありがとう
あと、秀がこんな熱烈に花火大会誘ってくれたから、花火大会は秀と行こうかな」
なんてからかうように秀を見てみると、照れてるのか顔を手で覆って嬉しいけど嬉しくない、なんて呟いてた。
「あはは、そんなこと言って結構嬉しいんじゃないの? 親治も誘う?」
「…いや、俺Aと2人で行きたい」
「そっか、じゃあそうしよ」
顔が赤い秀にそんな可愛いことを言われたら嬉しいけどこっちだって照れてしまって、少しだけ話しにくくなった雰囲気を私また取ってくるね、と抜け出す。
帰ってちゃんと、賢二郎に電話して、言いたいこと言おう。
私はまた前みたいに仲良くしたい、なんて我儘が過ぎるだろうけど。
少しだけ呆れたように笑って、当たり前だろ、なんて言ってほしい、な。
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(あああああよかった口が滑って大切とか好きとか言っちゃったけど多分忘れられてる!!よかった!!いやよくないのか!!!いやわかんねえ!!!)
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高評価、順位、閲覧ありがとうございます。
桐生ちゃんが少しだけ性格悪く見えちゃうかもなんですけど、私の主観で欠点のない人なんていないと思ってるんで、桐生ちゃんは自分に向けられる好意に対して甘えてしまう人のような描写しています。
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作者名:moi | 作成日時:2018年9月28日 22時