127話 ページ4
部活が終わる頃にはさすがに涙は治まってきた。
目の下は赤いし、若干腫れちゃってるしで見た目的には泣いたのバレバレなんだけどね。
「お疲れ様、国見」
「お疲れ様です あ、これ
俺個人からのプレゼントなんですけど」
そうして渡されたのはスイパラの割引券。前々から私が行きたいと言っていたところだ。
「え、いいの！？」
「Aさんのためなんで、全然です」
では、といって会釈をして金田一と帰る国見。
わああああ嬉しい…誰と行こ…。
「Aー！」
「わ、と 親治に秀」
後ろからぽふ、と2人の感触が背中越しに伝わってくる。
「ん、これは俺らから」
2人からは前ゲーセン行く時の途中に気に入っていたキャスケットを貰った。
なんですぐわかるかって言うと、包装もされずに渡してきてくれたからなんだけど。
「わあ、私が気に入ってたやつだ！買おうか悩んでたんだよね 親治、秀、ありがとう」
「喜んでもらえて何よりだよ」
おめでとう、といって頭を撫でてくれる親治。
「あー、国見からはそれ貰ったんだろ？
俺、付き添うから行こーぜ 俺払うし」
「着いてきてくれるのは嬉しいけど、それは申し訳ないよ あと、秀って甘いものそんなに好きじゃないでしょ？」
「いいんだよ 今日はお前の誕生日だろ？
それぐらいさせろって 甘いものはそんな食べないけど、お前が食べる姿は… まあ、可愛い、し」
少しだけ照れたように言う秀が可愛くて私よりも広い背中に可愛いねえ、なんて言いながらぽん、と叩く。
そうと決まれば早いもので、帰って準備をして、即集合になった。
親治も誘ったけど、矢巾は僕はお邪魔みたいだからー、って断っていた。
全然そんなことないと思うんだけどな。
えへへ、でも楽しみ。
.
(これはちょっとしたデートなのでは…！？)
気を利かしてくれた渡に心の中で感謝をする。
来月には花火大会もあるし、Aはモテるから、早めに誘っておきたいし。
今日、言えるタイミングがあったらちゃんと言おう。
頑張るぞ、俺
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作者名：moi | 作成日時：2018年9月28日 22時
