お話。 レトルトside ページ31
.
いつもの飲み屋だが、今日は少し違った。
わざわざ個室をとったのだ。企業秘密ですから。
レ「…話は、全部聞いてる。」
キ「…」
レ「…どうすんの？お前さ、今結構最低なことしてるっていう自覚はある？」
キ「ある…。」
レ「どのくらい？」
キ「…」
レ「…少なくとも、Aちゃん泣かせたくらいには最低やで。」
キ「！」
元気なさすぎ。
そりゃそうか。やっとの告白を自分で振ったようなもんやし。
キ「あいつ…泣いてたのかよ。」
レ「そりゃもう。子どもみたいに泣いてた。」
キ「はあ…俺マジでバカだ。」
レ「バカどころやないで。」
謎に禁酒をしているから、キヨは緑茶を飲んで、
若干涙声になりながら言った。
相当ショックだったんやな。
レ「まずは言い訳を聞くけど。何でキスしたの。」
キ「…無理矢理、されて。」
レ「男女の力の差やん、無理にでも断れたはずやろ？」
キ「…写真。」
レ「…ああ、あれか。」
二人して写真を盾にとられちゃってるわけか。
逆らえないっちゅーわけやな。
キ「あれさえなければ…ビンタしてでも殴ってでも対抗できた。
けど…あの写真一枚で、俺とAは終わるんだ。」
レ「…」
キ「仕方ねえから一回だけって言ってキスしたら…Aが来て…」
ほんまにあの女、厄介やな。
まずはあいつをどうにかせんと、キヨとAちゃんはどうにもできひん。
下手に手え出しても危険なだけやしな。
まずは写真をどうにかせな。
レ「写真をどうにかして…キヨを諦めさせるしか…」
キ「…できるかな…」
レ「…正直厳しいで、とくに後者は。」
キ「ほんとにな…。マジどうしよ…。」
ここまで萎えてるっていうか、落ち込んでるキヨは初めて見た。
こんだけ悩めるぐらい、Aちゃんのこと想って…。
レ「…何で、好きになったん？」
キ「え…」
レ「Aちゃん。何で？」
キ「…自慢じゃないけどさ。俺、女子から超モテんの。
でもあいつだけは、俺に見向きもしないで、友達とくっちゃべって。しかも男子。
腹立って絶対いつか俺の方振り向かせてやるって思ってたら、
ふとした時、自分の気持ちに気がついて。」
レ「…キヨ。」
キ「何…」
レ「お前まじ悪魔やな。」
キ「何でだよ。」
意地でも振り向かせたいとか、どういう神経やねん。
Aちゃんもキヨ君も子どもやな。
Aちゃんはほんとの子どもやけど。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 428人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かっちゃん(プロフ) - いやー素晴らしいですね、キヨさんとかレトさんが先生とかいいですね。しかもあんなにフレンドリー主人公ちゃんが羨ましいです。最後まで読んじゃいました。一日で。まだまだキヨさんのファンになって浅いですがよろしくお願いします。あとフォローさせて頂きました。 (2019年8月5日 22時) (
レス) id: 0390fdff66 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか - うわーーー最高ーー！ (2019年5月25日 0時) (レス) id: 396d649605 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - うわーーー最高ーー！ (2019年5月25日 0時) (レス) id: 396d649605 (このIDを非表示/違反報告)
玲愛(プロフ) - SEAN◎さん» よかったです〜！！！ (2019年5月5日 1時) (レス) id: 5be1506abf (このIDを非表示/違反報告)
SEAN◎(プロフ) - 彩花さん» 了解です！わざわざありがとうございます...！ (2019年5月3日 22時) (レス) id: c8750bacb5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SEAN◎
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/SEANH1/
作成日時：2019年3月5日 22時
