○彼と浮気してみた ページ42
«キヨ»
「…っは、時間いけんの?」
リビングで抱き合って深く口付けを交わしていると、離れた彼は真顔で聞いてきます。時間は18時過ぎ。貴女の恋人である人は普通のサラリーマンなので、いつもなら帰ってきている時間です。「実はあの人出張行ったんだよね。だから、今日は泊まっていけるよ?」「ならいいわ。」貴女が嬉しそうに言うと、ぶっきらぼうな言葉とは裏腹に彼も嬉しそうな表情。再び重なる唇。いけないこととは分かっているけど、お互い寂しさを埋める為に利用しているんです。けど、愛し合っているのも事実。「なぁA、愛してる。」「私も愛してるよ。」今日もベッドに沈んでお互いを利用する悲しい愛。
«レトルト»
「あれ…彼氏さんじゃ…?」
2人で実況を撮る前に一緒にコンビニへ行った帰り、前へ行く手を繋いだ恋人の片方は貴女の恋人でした。貴女が彼に散々自慢していたので知っていたのです。反対方向に走り出した貴女を追いかけ腕を掴んだ彼。「ど、しよ、レトさん…どうしたら…」と涙を溢す貴女に彼は悲しそうに顔を歪めて引き寄せます。「なんでAちゃんが苦しまないかんのやろな…なぁ、同じ苦しさ彼氏さんにも味わってもらう?」「どういう、こと?」「…俺と浮気しようか。嫌だったら拒否して。」離れた彼は貴女の涙を拭いながら真剣な顔で言ったかと思えば、彼の顔が近付いてきて影が重なりました。振り向いてもらえないのを分かっている彼はどれだけ切ない思いをするのでしょう。
«牛沢»
「わっるい女。」
「うっしーもでしょ。」とホテルの部屋に入って扉の前で抱き合いお互いそう言って笑ったあと、彼に扉に押し付けられてキスをします。高校生の時に片想いをしていたはずの彼が実は両想いだったと知ったのはごく最近。彼も貴女もその想いを忘れようと他の人と結ばれたのに、それに背いて関係を築いてしまい今日もその関係に縛られます。けど、彼も貴女も結ばれることを望んだのです。いくら歪んでいても。「もっと早くに知れたら良かったのにな。」体を重ねた後にそう言うのがいつものことでした。横にいる彼を見ても、天井を見ているだけで何を考えているのか分かりません。彼も貴女も罪は感じていますが、もう戻れません。
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たまごアイス(プロフ) - 箱さん» コメントありがとうございます!いえいえ全然。それならよかったです(笑)これからもどうぞよろしくお願いします。 (2021年11月3日 0時) (レス) id: 84c9dfda6b (このIDを非表示/違反報告)
箱 - お礼が遅れてしまいすみません。リクエストのやつ書いてくださりありがとうございました!期待以上で画面の前で悶えてました(笑) これからも楽しく読ませて頂きますね! (2021年11月2日 21時) (レス) @page5 id: dbdea8e05b (このIDを非表示/違反報告)
たまごアイス(プロフ) - 匿名希望さん» コメントありがとうございます!思い付いたものをただ文章にしているだけなので、そう言っていただけて安心です^^ (2021年9月4日 17時) (レス) id: 84c9dfda6b (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - 個人個人の特徴を捉えれていて素晴らしい。 (2021年9月4日 17時) (レス) id: 7d746d30e5 (このIDを非表示/違反報告)
たまごアイス(プロフ) - 雪月花さん» コメントありがとうございます!ええ、私の作品がモチベに!嬉しい!!『抱きしめてみた』ですね、了解致しました!書くのは続編に回ってしまいます、すみません、、 ありがとうございます、雪月花さんもどうかお気をつけて! (2021年8月16日 17時) (レス) id: 84c9dfda6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たまごアイス | 作成日時:2021年7月15日 21時