○プロポーズされてみた【ky】 ページ34
「な、ちょい目瞑ってて。」
夜、テレビを見ていると後ろから現れたキヨはそれだけ言ってリビングを出て行ってしまった。
もー、何?いきなりだなぁ…と思いつつ、目を瞑ってしばらく待っているとリビングのドアが開く音がした。
「目開けて振り向いて。」
彼に指定されソファに座ったまま振り向くと、なんとキヨが黒いスーツを着ていた。え、なんでそんな格好してるの?しかもキヨが。
固まっている私を他所に、キヨは私の手を引いて何もないスペースに向かい合わせに立たせた。
「なんでそんなかっこ…」
「ごほん!誕生日おめでとう。」
スーツについて触れようとしたのに、キヨはわざとらしく咳払いをして私が言いたいことを言わせずに膝まずいて小さい箱から何かを取り出して私の左手の薬指にはめた。
「え…?」
キヨが握っている左手の薬指には綺麗に光る指輪があった。
私今日誕生日だったっけ、ていうかなんで指輪なんか…しかも、左手…。
「俺、Aと居て変わったとこもいっぱいあるし、Aがいるから助けられたことも結構あるんだよね。」
キヨが微笑んで伏し目がちに何年か前のことを思い出すように言う。その言葉と薬指の指輪はこれから起こることを裏付けていて、視界が歪み始める。
「今までもこれからもAに俺のまだまだ足りないところを補っていってほしい。だから…」
そこで言葉を切ったキヨはリビングを出ると、どこから出してきたのか大きなバラの花束を持ってきた。
「俺と結婚してください。」
真剣な顔で言うキヨは何処か緊張しているようで、それが可笑しくて目から溢れる涙を拭いながら笑って頷いた。
「もちろんっ!」
キヨはそれを聞いて花束を床に置くと私を抱き上げてクルクルと回った。最初は高い景色に怖かったけど、キヨが本当に嬉しそうだったから私も笑っていた。あまりにも抱き上げられている時間が長かったから流石に下ろしてもらったけど。
「このバラ、108本ある?」
「知ってたのかよー…かっこつかねーなぁ。」
「ううん、十分嬉しいしキヨはずっとかっこいい。」
キヨに降ろしてもらって床に置いてあるバラを持ち上げて予想していた本数を言うと、どうやら当たったようで後頭部をがしがしと荒く掻いた。そんなキヨにふわふわした私が笑みを柔らかくして言うと、キヨは顔を真っ赤にして片手で顔を覆った。
二十数回目の誕生日は最高の日になりました。
急な小説すみません(((
プレポーズ編は長いと思って…
てか、妊娠とプロポーズ逆やろ(((
○プロポーズされてみた【rtrt】→←○妊娠したと言ってみた(事実)
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たまごアイス(プロフ) - 箱さん» コメントありがとうございます!いえいえ全然。それならよかったです(笑)これからもどうぞよろしくお願いします。 (2021年11月3日 0時) (レス) id: 84c9dfda6b (このIDを非表示/違反報告)
箱 - お礼が遅れてしまいすみません。リクエストのやつ書いてくださりありがとうございました!期待以上で画面の前で悶えてました(笑) これからも楽しく読ませて頂きますね! (2021年11月2日 21時) (レス) @page5 id: dbdea8e05b (このIDを非表示/違反報告)
たまごアイス(プロフ) - 匿名希望さん» コメントありがとうございます!思い付いたものをただ文章にしているだけなので、そう言っていただけて安心です^^ (2021年9月4日 17時) (レス) id: 84c9dfda6b (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - 個人個人の特徴を捉えれていて素晴らしい。 (2021年9月4日 17時) (レス) id: 7d746d30e5 (このIDを非表示/違反報告)
たまごアイス(プロフ) - 雪月花さん» コメントありがとうございます!ええ、私の作品がモチベに!嬉しい!!『抱きしめてみた』ですね、了解致しました!書くのは続編に回ってしまいます、すみません、、 ありがとうございます、雪月花さんもどうかお気をつけて! (2021年8月16日 17時) (レス) id: 84c9dfda6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たまごアイス | 作成日時:2021年7月15日 21時