【キIヨ】恋をした

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#キヨside

家でだらだと過ごしながらスマホを手に取る。
本気で遊ぶつもり、つっても、別にあいつと会う機会すら大して無いわけで。

キ「あー、連絡先聞いときゃよかったか」

別にわざわざあいつにこだわる必要なんてないんだろうけど。
でも、なんとなく。
そう、なんとなくそう思ったから、だからあいつがターゲットなだけ。

牛《なあ、本気で小田さんに手出すの？

手にしたスマホに届くうっしーからのライン。

キ《多分？
牛《フジとかがちっぽいじゃん
キ《まーなー
牛《あと俺もいくから
キ《は？
牛《外見タイプだし笑ったとこ可愛かったじゃん
キ《単純かよ
牛《ねーな、ってなったらすぐ手引くしww
キ《で、なんでわざわざ俺に報告してんの？
牛《あー、遊びなら手出すのやめてくんね？

んだよ、それ。
俺の方が先に手つけたのに。

キ《俺が先に決めたことだからそれは無理
牛《ふーん
キ《ま、あいつがうっしーに惚れたら別にそれまで邪魔はしねーよ
牛《あーあーキヨさんは遊び人ですわ
キ《うるせーなww

今さらだろ。
俺が遊んでる話なんて、どーせみんなの中では周知の事実だし。






夜、誘われて居酒屋に向かう。
こんな風に誘ってくれる人らがまわりにいてくれるのはありがてーなー、なんて。

正直、女よりもこういう男の連れの方が楽だろ。

だらだらと繁華街を歩く。


「久しぶりだね」

綺麗なすんだ声にばっと顔を向ける。

「あー、確かにな」

にこにこと会話をする男女。

キ「んだよあれ、男いんのか」

女の方は、昨日会ったあいつに間違いなくて。
仕事のときと違う、女っぽい格好してる。

貴「なんかね、一緒にいると、懐かしい気持ちでいっぱいになる」
「青春思い出すだろ？」
貴「もー、ふざけないでよww」

俺らの前では見せなかった笑顔。
あんな顔、すんだな。
フジに微笑んだだけでもレアかと思ったのに。

キ「ふーん…ま、でも男相手にあんな風に笑ってんなら意外と簡単に落ちるのかもな」

男なんて無理、みてーな女ではなさそうだ。
それならなおさら、落としてみるだけ。



目を向けていたあいつらから視線を離して、また居酒屋へと足を運ぶ。



＊＊＊

主人公ちゃん、名前呼ばれなさすぎてごめんなさい(;_;)

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