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#キヨside
空いてる楽屋に入る。
ばたん、とドアを閉め、中から鍵をがちゃりとまわす。
貴「やめてください…」
昨日から何回言われてんだ、俺は。
腕を引っ張って抱き締めようとすれば、また、押し返そうとする。
昨日は負けたか細い腕も、今日は受け入れてやらない。
そのまま抱き締めれば、嫌だ、とごねる。
キ「話聞け」
貴「聞くことなんかありません」
キ「俺らと仕事するのがお前の仕事なんだろ」
仕事、を持ち出すとかあのおっさんと同レベルだな、なんて思いながら、それでも聞いてほしかった。
キ「お前は何をびくびくしてんの？」
貴「…関係ありません」
キ「話さねーとこっから出させねーぞ」
貴「ひどいです」
キ「で？」
貴「…怖いです」
キ「何が」
貴「今も、キヨさんとあの人は違うのに、それなのに、男の人に触れられると、あの人がよぎるんです。牛沢さんに声をかけられたときだって…」
キ「…こうされてんの、怖いの？」
貴「恥ずかしながら、私は初めては全てあの人でした。男の人に手を取られるのも、抱き締められるのも、キスするのも、抱かれるのも。だから、男の人に触れられると、あの人が…」
小さく身体を震わせる彼女。
なんで、あのおっさんなんかに、って思うと腹が立つ。
こいつのことをあのおっさんは知ってんのに、俺は知らない。
理由があったとしても、おっさんのことを受け入れたのに、俺は拒絶される。
キ「…お前がされてきたこと知らねーから、勝手なこと言うけど、さ」
はい、と小さな返事が聞こえる。
キ「俺も遊びでいろんな女と関係持ってて、くそみたいなことしてた。あのおっさんと一緒だわ」
貴「っ！」
びくりと揺れる肩。
落ち着いてたかと思えば、また離れようと力が込められる。
それをさせないように、俺も力を込める。
キ「俺としては相手に対して無理矢理してたつもりはねー。でも、それでもお前みたいに傷付けてたのかもって思ったら、もう手出したりとかはできない、って思ってる。だから、俺は仕事とか自分の欲にかこつけてお前に手出したりなんてしねーから。せっかく仕事一緒にしてんだから、いいものつくりたくね？」
ほんとは欲に飲まれそうで仕方ない。
このままキスして、抱けたら、って思う。
でも、こいつ相手じゃそれはできない。
貴「…いいもの、つくりたい、です」
キ「じゃー、やらなきゃいけねーことわかるよな？」
腕を緩めれば、まだ暗い彼女の顔。
キ「さっきの態度、うっしーに謝るかなんかしてこい」
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煎茶(プロフ) - コメント失礼いたします。三人の長所が絶妙なバランスで描かれていて至高の作品でした。この小説との出会いに感謝したいです。執筆お疲れ様でした。 (2018年8月27日 1時) (
レス) id: ea34eab2cb (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - こねりさん» ありがとうございます(;_;)！！！内容が良い悪いはなんともいえないですか、いくつかお話は書かせていただいていますので、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです(*^-^*) (2017年10月23日 2時) (レス) id: 1e43dca40b (このIDを非表示/違反報告)
こねり(プロフ) - とっても面白かったです...！！うっしーがいい人すぎで、思わず読んでて泣いてしまいました...。新作の方も読ませていただこうと思います！！ (2017年10月16日 23時) (レス) id: 8a30c5e030 (このIDを非表示/違反報告)
。。*ましゅまろん*。。 - ゆるさんの小説みてたら、下の告知がいないないばぁ！で笑いました笑 (2017年3月29日 15時) (レス) id: b56a98098d (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - 蒼乃さん» わかります！！！私も、他の方と交流すること全然なくてwwたくさんコメントでお邪魔しちゃいますね！ (2016年12月21日 1時) (レス) id: 2348e913dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆる | 作成日時：2016年9月13日 3時
