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#キヨside
部屋に行くまで、何も話さないし、部屋に入っても聞こえるのは小さくすすり泣く音だけ。
キ「なんか、無理矢理ごめ…」
貴「最低ですよね」
キ「は？」
貴「キヨさんに、遊ばれてる、なんて言ってたくせに、私だって好きでもないのにあの人としてたんです。言われればいつだってやってて。数年、ずっとあの人と身体を重ねてたんです。好きでもないのに。私の方がよっぽど酷い人間ですね」
キ「…お前の意思じゃねーんだろ？」
どう考えたって、あのおっさんが無理矢理やったんだろ。
仕事なくす、とか言って。
貴「私の意思ですよ」
キ「は？」
貴「私は、仕事のために行為を惜しまなかった。だからなんでも言うことを聞いたし、そんなの全部、私の意思です。断れたのに、断らなかった」
だから、って言葉を続けようとする彼女を見ていられなくて、腕を引いて抱き締めようとする。
けど、それはすぐに押し返される。
貴「やめて…ください…」
キ「…」
貴「助けてくれたのには感謝してます。でも、もう正直気持ちのない関係は、疲れたんです。身体は感じちゃうのに、心はずっと苦しくて。一人になってから嫌悪感にまみれて。だから、触らないでください。あなたが遊ぶのは自由です。でも、私はあなたと関係を持てるような余裕なんてありません。…もうあの人も居ないと思います、出ましょ」
今まで酷い態度取っといて、いくら緊急だったといえどラブホに引っ張り混むような男が、ここで"俺は本気だ"なんて言ったって、な。
何も言わずすぐに部屋を出る。
貴「…失礼します」
キ「…おお」
あれだけ言われた後に、送ってく、なんて言えるほどのメンタルは持ち合わせてなくて。
いつの日にか言われた、"あなたのようなことをする人、もう何十人も出会ってきました"って言葉がふと頭に浮かぶ。
あのおっさん以外にも、されてた、してたのか？
そんなことを考えれば、何も知らずに触れようとしてた自分の愚かさを感じる。
それなのに、触れたいとか抱きたいとか考えてしまうから、欲求ってくそだな、って思う。
俺の前なのに、初めて表情を崩した。
望まない表情だったけど。
涙を浮かべた瞳は、初めて彼女の弱さを見た気がした。
でも、俺じゃ、抱き締めることもできない。
恋した、って気付いて、頑張ろう、みたいな俺のくせしてそんなこと考えて、でも、はなから俺みたいな存在を拒絶してるあいつに、俺は何をできるんだろう。
キ「最初から本気だったら、な」
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煎茶(プロフ) - コメント失礼いたします。三人の長所が絶妙なバランスで描かれていて至高の作品でした。この小説との出会いに感謝したいです。執筆お疲れ様でした。 (2018年8月27日 1時) (
レス) id: ea34eab2cb (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - こねりさん» ありがとうございます(;_;)！！！内容が良い悪いはなんともいえないですか、いくつかお話は書かせていただいていますので、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです(*^-^*) (2017年10月23日 2時) (レス) id: 1e43dca40b (このIDを非表示/違反報告)
こねり(プロフ) - とっても面白かったです...！！うっしーがいい人すぎで、思わず読んでて泣いてしまいました...。新作の方も読ませていただこうと思います！！ (2017年10月16日 23時) (レス) id: 8a30c5e030 (このIDを非表示/違反報告)
。。*ましゅまろん*。。 - ゆるさんの小説みてたら、下の告知がいないないばぁ！で笑いました笑 (2017年3月29日 15時) (レス) id: b56a98098d (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - 蒼乃さん» わかります！！！私も、他の方と交流すること全然なくてwwたくさんコメントでお邪魔しちゃいますね！ (2016年12月21日 1時) (レス) id: 2348e913dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆる | 作成日時：2016年9月13日 3時
