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#牛沢side
Aちゃんの鞄はしっかり持ってったくせして、自分の忘れるとかほんと馬鹿かよ。
仕方なくキヨの家まで届けに来て、ずかずかとあがりこむ。
すると寝室からAちゃん。
寝起きなのかとろんとした目で、少し乱れた髪の毛と、昨日と変わらない服は寝てたからかシワがついている。
なんで、キヨの家で寝てんの。
キ「こいつ初日から風邪引いてたの。んで、昨日送ってく途中で寝やがったから仕方なく。まだ治ってねーみてーだしうっしー送ってあげたら？」
意味わかんねー。
なんでキヨはそれ知ってたの？
俺が知らなかったのは、きっとAちゃんが隠していたからで、それはみんなもそうだと思う。
なのになんでキヨだけ知ってんだよ。
"送ってあげたら"てなんだよ。
お前は別に特別な存在なんかじゃないくせに。
気付けなかった自分が悔しかっただけ。
別に悪いのはキヨでももちろんAちゃんでもない。
でも今はそれを誰かのせいにしたくて。
キヨのせいにでもしないとやってられなくて。
Aちゃんの手を取って、キヨの家をあとにする。
決して握り返してはくれない。
でも、拒絶もしてこない。
まるで二人の関係性を告げられてるかのようで、苦しかった。
牛「何かされてない？」
貴「え？」
牛「キヨに」
貴「ああ、何もされてないですよ。そもそも私では遊びにするにも魅力に欠けると思いますしね」
牛「…馬鹿だなあ」
彼女はとことん馬鹿なんだ。
いや、キヨのことを知らなければ仕方ない、か。
あいつが自分の部屋に女連れ込んで、手出さないことなんてないのに。
そもそも魅力のない女なんてどんな理由があったって家に入れない。
遊びなら相手の都合なんて考えないで抱いてる。
それがなかった理由なんて簡単で。
Aちゃんにはわからないかもしれないけど、俺にはわかるんだよなー…。
やっぱりキヨも恋してんじゃねーか…。
貴「…牛沢さん？」
牛「ん、ごめん、少し考えごとしてた」
貴「ここで大丈夫です。すぐそこなので」
牛「そっか。しっかり休みなよ？」
貴「ありがとうございます。お世話かけました。あ、お茶でも飲んでかれますか？」
牛「病人なんだからしっかり休まなきゃ駄目でしょ」
そう言って笑えば、すいません、とぺこりと頭を下げて家に向かっていくAちゃん。
違うよ、ほんとはその誘い受けたいんだけどさ。
俺、キヨみたいに我慢とかできる自信ねーから。
ひとつ、ため息をついて、自分の家に帰る。
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煎茶(プロフ) - コメント失礼いたします。三人の長所が絶妙なバランスで描かれていて至高の作品でした。この小説との出会いに感謝したいです。執筆お疲れ様でした。 (2018年8月27日 1時) (
レス) id: ea34eab2cb (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - こねりさん» ありがとうございます(;_;)！！！内容が良い悪いはなんともいえないですか、いくつかお話は書かせていただいていますので、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです(*^-^*) (2017年10月23日 2時) (レス) id: 1e43dca40b (このIDを非表示/違反報告)
こねり(プロフ) - とっても面白かったです...！！うっしーがいい人すぎで、思わず読んでて泣いてしまいました...。新作の方も読ませていただこうと思います！！ (2017年10月16日 23時) (レス) id: 8a30c5e030 (このIDを非表示/違反報告)
。。*ましゅまろん*。。 - ゆるさんの小説みてたら、下の告知がいないないばぁ！で笑いました笑 (2017年3月29日 15時) (レス) id: b56a98098d (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - 蒼乃さん» わかります！！！私も、他の方と交流すること全然なくてwwたくさんコメントでお邪魔しちゃいますね！ (2016年12月21日 1時) (レス) id: 2348e913dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆる | 作成日時：2016年9月13日 3時
