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その後、Aは自分の状況がうんぬんかんぬんでこうなった、ということをはるかに伝えた。
『で、うんぬんかんぬんでして…』
「な、なるほど。…教授!いくら一目惚れしたからって誘拐はダメだよ誘拐は。変人じゃなくて犯罪者になっちゃうじゃん」
「誘拐とは聞き捨てならない。私はAのことが気になったから、その辺にいた邪魔な桃井タロウから距離をとってここに連れて来ただけだ」
「それを誘拐っていうの!」
おお、はるか先生。描く作品が素晴らしいだけじゃなくてこんな年上の男の人にも動じず意見を言える人だなんて…、本当に尊敬だ。勇敢にも猿原さんに意見をするはるか先生を見ながら私は感銘を受けた。それと、忘れてはいけないひとつのことを思い出した。
くるりとソノザの方を振り返る。
『ていうか、ソノザ。なんでソノザがはるか先生と一緒にいるの?』
「そんなこと聞くまでもない。俺がはるかにマンガの指導をしてるからだ。な、はるか」
言ってる意味がわからずつい首を傾げてしまう。すると、ソノザの発言を受けてはるか先生が返答してきた。
「うん、編集長にはいつもお世話になってます」
はるか先生がにこりと微笑む。
『…ソノザ。こっち来て』
「うおっ、なんだよA」
ソノザの首根っこを掴み玄関の外へと引きずる。随分久しぶりに思える外の空気をしっかりと吸い込み腹から声を出す。
『なんで私よりもはるか先生と仲良いの!ずるい!』
「は?何言って、…ておい!」
『変し、いたっ』
「ちょっと何してるのAちゃん!街中で変身しちゃダメじゃん!…ていうかやっぱり脳人だったんだ」
『は、はるか先生〜』
はるか先生に咎められたところで何かの糸がぷつりと切れる音がして、気づいたら人目の憚らず泣き出していた。
私の様子を見たはるか先生が急いで私を猿原さんの家に連れ戻し、私を優しく慰めてくれた。いきなり泣き出したのにも関わらずだ。
『私頑張って来たんですけど…全然うまくいかないし、変な人たちに絡まれるし…。伴侶になれとか、住み込みのお手伝いさんにならないかとか』
「急にそんなこと言われたら訳わかんないよね、Aちゃんはよく頑張ったよ〜。…それより問題は、教授!」
「慌てるな、はるか。真一はもう俺が成敗した」
目を向けるとそこには…。ひどい落書きを顔に施された猿原さんだった。
「さっすが編集長〜、仕事が早い」
「はっ、当たり前だ。Aは俺たち脳人の大事な存在だからな」
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さもえど(プロフ) - *桜もち。さん» こちらこそこのような素敵なイベントに参加できてすごく嬉しいです…!わちゃわちゃ感はかなりイメージしながら書いたので気づいてもらえてハッピーです、ありがとうございます✨ (12月23日 12時) (レス) @page12 id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
*桜もち。(プロフ) - またまたイベント参加ありがとうございます✨ドンブラの皆のわちゃわちゃ感が本家様と凄く通ずる物があってとても面白いです!続き全力待機してます!!! (12月23日 11時) (レス) @page12 id: 17da285f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さもえど | 作成日時:2023年12月14日 15時