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あれ、私の正体バレてる。なんで、

「おや?当てずっぽうで言ってみたがまさか君は本当に脳人ならしいな」
『あの、その…』
「まあ、そう慌てるな。私は別に君の詠む歌に興味があるだけだ。さて、」

すると猿原さんはどこからか短冊と筆を取り出し、私に差し出してきた。こ、これに書けと…?脳人に芸術を理解する力など備わってないのだが…。だけど、俳句で勝たないと解放されないし。

『分かりました。書きます』
「ああ。そうだな、テーマは…」

猿原さんが軒下を通して広がる庭を眺める。

「空だ…雲もいいが、テーマは空で」
『そ、空…』

ごくりと喉がなる。俳句なんてして事ないけど、でも手段はこれしかない。やるぞ、私。短冊の上で筆を走らせる。

「ほう…」

…結果は全敗だった。その後も、犬、お菓子、時計など色んなテーマで勝負をしたが全て猿原さんの勝利。私はボコボコにされて終わった。

「君は本当にセンスがないな」
『うぐっ』

昔、ソノザに見せてもらった漫画に出てくる青いたぬきの様な口調で悪口を言われる始末。くそ、私の脳人としてのプライドが…!

「では、私の勝ち。ということでいいね?」
『それはおとなしく認めます』
「…」

猿原さんが顎に手を添えじっと何かを考えている。一体何を要求されるのだろうか、ソノイさんがいつか言っていた。"人間は慈しむものですがごく稀に、とてと邪悪な欲求を持つものもいます。だから十分に警戒しなさい"と。もし猿原さんがその警戒すべき対象であれば私は…、ブレスレットに手を添える。

「そういえば…脳人には戸籍が存在しないな。」
『は?』
「幸い私の家は広いし、部屋にも空きがある。うん、私の家に住みなさい」
『変身!って、うわぁ!』

完璧にアウト、粛清対象だ。そう思って変身しようとしたのに…。また桃井さんの時と同じ様に阻止されてしまった。

「…君、脳人の癖に弱いな」
『うるさい!』

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さもえど(プロフ) - *桜もち。さん» こちらこそこのような素敵なイベントに参加できてすごく嬉しいです…!わちゃわちゃ感はかなりイメージしながら書いたので気づいてもらえてハッピーです、ありがとうございます✨ (12月23日 12時) (レス) @page12 id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
*桜もち。(プロフ) - またまたイベント参加ありがとうございます✨ドンブラの皆のわちゃわちゃ感が本家様と凄く通ずる物があってとても面白いです!続き全力待機してます!!! (12月23日 11時) (レス) @page12 id: 17da285f26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さもえど | 作成日時:2023年12月14日 15時

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