26話 ページ27
私は放心状態のまま家に帰る。
カンタ君から着信やメッセージがたくさん来ていたけど、見る気にもなれない。
ただ、涙でぐっしょりしたイルカのぬいぐるみだけは抱きしめていた。
カンタ君にこんな風に抱きしめられたかったって、まだ恋している自分がイルカを離さなかったんだ。
「おい、カンタ？」
カンタがカンタハウスに閉じこもっているから、俺は仕方なく連日泊まりに来ている。
あれから3日経って扉越しに話しかけているけど、まだ返事がない。
何があったかなんて、あの日に投稿されたTwitterを見ればだいたい分かる。
『カンタがペンギンに選ばれてた、かわいい！』
『カンタ、女の子といなかった？気のせいか？』
『撮影でしょ！？トミーどこにいるのかな！』
まあ、つまりペンギン見てたらバレたって所だろ？
あいつ、ちゃんと変装してけよな…。
「おーーい！？いつになったら撮影やるんだよ？？溜め撮りなくなっぞ？」
水族館に行って泣きながら帰ってきた日から、ずっとこいつは放心状態で、撮影なんて出来るわけなかった。
イベントは終わったばかりだし、でっかい予定はなかったからいいけどそれなりに水溜りボンドは狂いだしている。
無理やり動画に出すにしてもカンタの顔は絶望的だから、視聴者さんに感づかれるに決まってるしな。
「……じゃなかったら…」
扉越しに何か聞こえた。
「…あ？？」
「俺…YouTuberじゃなかったら、ちゃんと恋愛できたんかな…！？」
「っ！？」
とっさに出てきたカンタの言葉に怒りたくても怒れない。
俺も、思ったことは少なからずあるから…。
グスグスとまたカンタは泣き始めたけど、今度は何も言うことができなかった。
言えるわけがない。
でも、カンタが幸せになれないなら、もういっそのこと水溜りボンドを…
ブルルッ
なんだよ、こんな時に。
…Twitterに何かDMが来たっぽい。
たまたまTwitterを開いていたから、イラつきながらDMを一応見てみることにした。
「…これ…、まじか！？」
俺はドタドタと走ってカンタが水族館から帰ってきたまま、ほったらかしにしてある荷物を漁ってみる。
「あった！！…まじじゃん…。」
俺は見つけた荷物を、息を切らしてカンタに届ける。
バンっと開いた扉にカンタは大げさに反応した。
「なに…「おい！！カンタ、これ見てみろよ！？」」
「え！？こ、これって…」
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そら(プロフ) - 更新楽しみにしてますね！！ (2020年3月1日 18時) (
レス) id: 8efb03cbb1 (このIDを非表示/違反報告)
kiu(プロフ) - そらさん» 良かったです、めちゃめちゃ嬉しいですー！！ (2020年3月1日 18時) (レス) id: a66a3311a8 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 読むたびキュンが限界突破しそうです！！ (2020年3月1日 16時) (レス) id: 8efb03cbb1 (このIDを非表示/違反報告)
kiu(プロフ) - たくさんのお気に入りと評価、ありがとうございます〜！この書き方で皆さん読みやすいのかな？完全自己流なので、良かったら意見や感想聞かせてください！(^^)/ (2020年3月1日 16時) (レス) id: a66a3311a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiu | 作成日時：2020年2月25日 17時
