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23話 ページ24

レジから戻ると、カンタ君が私を待っていた。


「なんか買ったの?」
「えーと、友達へのお土産です!」


あーね!って言って、カンタ君は納得してくれた。

危ない危ない…。
カンタ君にいつか渡す物なんて、言えるわけないよ。

他愛のない話をしながら、カンタ君と一緒にお土産屋さんを出た。
ふと近くにある窓の外を見ると、いくつかの黒いかたまりと人だかりが見える。

なんだろう…と思って目を凝らすと、どうやらペンギンが列を作ってお散歩をしているみたい。

せっかくだし、近くで見たいなーって思って、

「カンタさん、ペンギン見ませんか?」

ペンギンに指を指して、カンタ君を誘った。

「…うん、いいよー!」

あれ、カンタ君の瞳が一瞬揺れたような気がする…。
気のせいかな?

あまり気にせずに2人でペンギンの方へ行った。





ペンギンの場所に着いたけど、さっきよりも人が集まっていて見えづらい。
カンタ君がこっちー!って言って、人が少ない端っこの方を案内してくれた。


「では、ペンギンちゃん達に芸をしてもらいま〜す!」

係りのお姉さんが笑顔でアナウンスした。

なんの芸をするんだろう…楽しみだなぁ。


パチパチパチ
歓声と一緒に拍手が鳴って、ペンギン達の芸が始まった。


ペンギン達はハードルジャンプ、ダンス、そしてフラフープを操っていく。
すごいすごい!

私は目を見開いて、ペンギンの芸に夢中になっていた。



そして、次のアナウンスが流れる。
「では、今からペンギンちゃんがお客さんとキャッチボールをしまーす!

ペンギンちゃんがお客さんの中から1人選ぶので、選ばれたら前に来てくださいね〜。」

え!ペンギンとキャッチボールできるんだー!
いいなー、選ばれたい。



そんなことを考えていたら、ペンギンがトテトテトテっとこっちにやってきた。

うそ、私のことを選んでくれるのかな!?


なんて呑気に思っていたら、ピタっとカンタ君の前にペンギンが止まった。



「「…え…?」」



2人して声を漏らす。


あ…、これ、もしかしたらまずいんじゃ…?
って、やっと気付いたときには遅かった。



「あれ、カンタ君じゃない?」
「お、カンタだ!」
「うそ!水ボン?」



色々なところから色々な言葉が聞こえる。

ペンギンが来たことで、カンタ君に注目が集まってしまったんだ。


どうしよう…私のせいだ…。
係りのお姉さんもアタフタしている。

私は、回らない頭を一生懸命回して、震えながら人ごみの中に逃げた。

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設定タグ:YouTuber , 水溜りボンド , カンタ   
作品ジャンル:恋愛
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そら(プロフ) - 更新楽しみにしてますね!! (2020年3月1日 18時) (レス) id: 8efb03cbb1 (このIDを非表示/違反報告)
kiu(プロフ) - そらさん» 良かったです、めちゃめちゃ嬉しいですー!! (2020年3月1日 18時) (レス) id: a66a3311a8 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 読むたびキュンが限界突破しそうです!! (2020年3月1日 16時) (レス) id: 8efb03cbb1 (このIDを非表示/違反報告)
kiu(プロフ) - たくさんのお気に入りと評価、ありがとうございます〜!この書き方で皆さん読みやすいのかな?完全自己流なので、良かったら意見や感想聞かせてください!(^^)/ (2020年3月1日 16時) (レス) id: a66a3311a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kiu | 作成日時:2020年2月25日 17時

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