21話 ページ22
水族館に着いて、まずは水槽が並ぶエリアに行った。
照明がほとんど付いていなくて暗いから、すごくドキドキする。
前のレストランの時みたいに、カンタ君の顔をしばらく見ることができなかった。
周りをふと見渡すと当然カップルはたくさんいるわけで、皆手を繋いだり腕を組んだりしていた。
あー、私もカンタ君に触れたい…
すぐそこにカンタ君の手のひらがあって、手を伸ばせば絶対に届く距離。
思い切って手を繋いでしまえばいいのでは、とも思った。
でも、彼は有名で大人気のYouTuberだから、もし誰かに写真とかを撮られればカンタ君に迷惑をかける。
彼女ならまだ許されるかもしれないけど、私はただの他人。
そんなことが許されるはずもなかった。
ずっと考えていて、気持ちはモヤモヤしたけれど
「おーーー、すげー!これ綺麗だよ、Aちゃん!」
「本当だ!綺麗ですね!!」
はしゃぎまくるカンタ君を見ていたら、いつの間にか変な感情は消えていた。
今はまだ届かない距離でいい、いつかカンタ君の隣に並べればそれでいい。
慌てないで前向きになるって決めたんだ。
許される時が来たら、いっぱい手を繋ごう…。
水槽のエリアが終わって外に抜けた時、ちょうどイルカショーが始まるという放送が流れた。
「カンタさん、イルカショー行きませんか?」
「うん、ちょうど始まるし行こっか!」
ショールームに入って、水がかからなくて見やすい、ギリギリの位置に座る。
「水かからなきゃいいんですけど…」
「そういえばAちゃん、俺と会うといつもビショビショになるよね。」
「…」
そして…
ピー!!
イルカショーが始まって、一斉にイルカたちが大きなプールに飛び込む。
バッシャーーーーーン!!!
あ、水かかった…まじか。
でも、そんなの気にならなくなるくらい、私はショーにくぎ付けになっていた。
青い水面、青い光を可愛いイルカが突き抜けていく。
全てがキラキラ光って、私は心から感動していた。
カンタ君と、こんなに綺麗な青を見れて…
私は幸せだ。
カンタ君との思い出を目にも頭にも焼き付けて、この夢の様な時間が終わらないように何度も願った。
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そら(プロフ) - 更新楽しみにしてますね!! (2020年3月1日 18時) (レス) id: 8efb03cbb1 (このIDを非表示/違反報告)
kiu(プロフ) - そらさん» 良かったです、めちゃめちゃ嬉しいですー!! (2020年3月1日 18時) (レス) id: a66a3311a8 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 読むたびキュンが限界突破しそうです!! (2020年3月1日 16時) (レス) id: 8efb03cbb1 (このIDを非表示/違反報告)
kiu(プロフ) - たくさんのお気に入りと評価、ありがとうございます〜!この書き方で皆さん読みやすいのかな?完全自己流なので、良かったら意見や感想聞かせてください!(^^)/ (2020年3月1日 16時) (レス) id: a66a3311a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiu | 作成日時:2020年2月25日 17時