私はカンタに恋をした

2話 ページ2

あれから3ヶ月。


「今日も水溜りボンドは面白いなー！」


この4月から大学3年生になった私は、毎日更新される水溜りボンドの動画を楽しみに、日々を送っていた。


企画も、トークも、編集も、全てが面白い。


学校やバイトはだるいけれど、水溜りボンドの動画をご褒美に全てを頑張れる。


そして、休みの日は過去にアップされた水溜りボンドの動画を1日中見て、心を癒す。
そう…私には今、心を癒してくれる人はいないから…。





「好きです！」
「…え…？」


1ヶ月前顔見知りだった男友達が、私が彼氏と別れた噂を聞きつけたのか、いきなり告白してきた。
かっこいいし、この男友達の悪い噂は聞かないから多分この人を好きになれる、そう感じたけど私は恋愛に憶病になっていて、


「ごめんなさい…」


生まれて初めて告白を断った。
また裏切られるのが嫌だった。





絶対に浮気をしない誠実な人と付き合いたい。


でも、周りにそれが保証されている人なんていないし、そもそも付き合ってみないと人間性なんてわからない。


でも、もう傷つくのが怖いから付き合うのは嫌だ、そんな矛盾が頭の中をグルグルしていて、ずっと次の恋愛に進めないでいる。


だから……


今は水溜りボンドを好きでいよう！




こうして、今は恋愛をしないで水溜りボンドを好きでいることに決めた。

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