望 -望体- ページ17
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璞『さて、我はお前の願いを叶えたぞ。
次はお前が我が望みを叶える番では無いか?』
振り向いた璞の顔は_____少し笑みを浮かべていた表情から無表情に戻った。
璞の望み____それは篝の身体である。
篝の身体と璞の妖力は接続を終え、篝の心臓の鼓動は既に止まっている。
今、動いているのは璞の妖力のおかげと言っても過言では無い状態だ。
篝「でも………。」
璞『お前も分かっているだろう。
既に鼓動は止まっていると言う事を。
望みを叶えてくれる約束だろう、篝。』
まだ悩んで顔を下に向けた篝に近づき、顔を覗き込むような体勢で璞は視線を篝に合わせた。
視線と言っても璞は目を閉じているのだが………。
璞『篝が望みを叶えられないなら仕方無い。
無関係な耀に望みを叶えてもらおうか。』
“耀”と言う名前に反応した篝は____咄嗟に顔を上げた。すると待っていたと言わんばかりに璞は自身の唇と篝の唇を軽く触れさせた。
妖力が“本人の承認を受けた”と言う事を感知し、篝の身体の所有権が璞に移ったのだ。
璞『これでこの身体は我の物だ。
補強すれば脚など治るだろうからな。』
篝「ひっ………卑怯ですよ!
僕は一言も『では我が行動しなければお前は身体を簡単に渡したのか?』それは………。」
璞『我はお前の願いを叶えた。
だからお前に我の望みを強制的に叶えさせたまでの事だ。
最初からお前に拒否する事は許していない。』
璞がそう言い終えると____暗い顔をしながら篝の霊体が泡のように消え、残った白い魂がその場に浮いていた。
白い魂を掴み、黒い鉄格子の鳥籠へ入れた璞は____一人で嬉しそうに笑っていた。
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幽鬼(プロフ) - 神無月さん» ありがとうごさいます。頑張りますね。 (2019年5月25日 21時) (レス) id: 5875e830d4 (このIDを非表示/違反報告)
神無月(プロフ) - 続きが気になる!更新頑張ってください! (2019年5月25日 20時) (レス) id: 4f06722720 (このIDを非表示/違反報告)
幽鬼(プロフ) - apipeさん» そう言ってもらえてありがとうございます。 (2019年5月19日 17時) (レス) id: 5875e830d4 (このIDを非表示/違反報告)
apipe - めっちゃ続き気になる(//∇//) (2019年5月19日 13時) (レス) id: 6a53dc23ed (このIDを非表示/違反報告)
幽鬼(プロフ) - apipeさん» 皆さんのおかげで続編が出来ました。これからもよろしくお願いします。 (2019年5月16日 7時) (レス) id: 5875e830d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十騎 幽鬼 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年5月16日 2時