検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:16,225 hit

創造ヲスル ページ7

そう、クロウツが言うと、狐の少女は満足気に頷いて自分の近くに来た。


「ねぇねぇ、狐のおねーさん」

〔ん?なんじゃ?〕

おねーサンと呼ばれたのが嬉しかったのか、七本の尻尾を嬉しそうにゆっくり揺らして、笑いながら振り向いた。

「おねーさんの事、なんて呼べばいいの?」

〔…わしの、呼び名か……?〕



「…あの、談笑は後にしてもらっていいかな?」

準備というものを終えたクロウツが、苦笑して立ち上がった。というよりは、割れたティーカップを片付けただけなんだけど。


「今から始めるけど、入ったら1ヶ月は出てこられないからね?
後、無理に出ようとしない事。食事は給餌するから………これでいいかな?」

〔そうじゃのぅ…それが最善策であろう〕


なんだか二人は難しい話をしていてよく分からないが、1ヶ月くらい出られないところに行くらしい。









「…………それじゃあ、始めるよ…」


狐のおねーサンが笑顔で手を差し出してきたので、手を繋いだ。

…ふふ、と着物の裾で口元を隠して妖艶に笑ったその人は、やっぱり少女に見えるけれど、もっと長い間生きているんだろうなぁと改めて思う。









ひやっと冷たい何かが足に触れた、と思ったのが早いか遅いか、あっという間に辺りは水に包まれた。

隣には、笑みを崩さない狐の少女。



そして、どこからどこまでが水なのかも分からなくなった頃。

自分達の行く道を示すかのように、何もないところから炎が灯る。暖かな炎だった。


少女に手を引かれ、炎に導かれ、クいつの間にかロウツの居なくなったところで、ただひたすら地面か水の上なのかも分からないところを歩く。





その人が動く度に、リンと鈴の音がして、狐の少女が歌っている歌と合わせるように音を弾ませた。





〔……♪〜………お、さぁ、着いたぞ、空〕


自分達が辿りついた場所は、木で造られた平屋のような建物だった。

入口には朱い鳥居が建ち、その両側には椿の木が二本、中の建物を守るように植えられている。

地面はそのうち、石畳になり、周りには苔が生え、木が生え、林になり、森になり、山になり、土地になった。




〔…ようこそ♪創造の町へ……〕


椿の花を1つ愛おしそうに手に取り、一層笑みを深めた。

花ノ術→←試ミ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (20 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
8人がお気に入り
設定タグ:スカアトリー , 悪魔 , オリジナル   
作品ジャンル:その他, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

『 夜風 』(プロフ) - 梓裄乃さん» 照れる!!!((( (2016年2月7日 21時) (レス) id: d950e831b1 (このIDを非表示/違反報告)
梓裄乃 - 『 夜風 』さん» イケメンでふ…( イケメンなのでふ…! (2016年2月7日 21時) (レス) id: d21d4cb30a (このIDを非表示/違反報告)
『 夜風 』(プロフ) - 梓裄乃さん» イケメンじゃないよう() (2016年2月7日 21時) (レス) id: d16a6852eb (このIDを非表示/違反報告)
梓裄乃 - 『 夜風 』さん» 京さん…!(トゥンク 京さんがイケメンすぎて…!辛い…! (2016年2月7日 21時) (レス) id: d21d4cb30a (このIDを非表示/違反報告)
『 夜風 』(プロフ) - 梓裄乃さん» 見間違いじゃないぜ? (2016年2月7日 20時) (レス) id: d16a6852eb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:化け狐 | 作成日時:2015年5月16日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。