御花見 其ノ伍 ページ31
「フローラちゃんが「お花見大会するぞー!!!」って言ってたから参加したかったんですけど…」
「師匠、すぐにどこに行ったのか分からなくなって…一応ちゃんと追いかけましたからね?!」
「そしたらクマーくんが『この番号に掛けてみなよ♪僕の携帯をフローラちゃんに持たせてるんだ♪』って!!」
「持たされてないけどね!携帯置いてきぼりになってたけどね!!
ん?…ってことは……」
「…これからもっと人数が増えるね♪」
この携帯の数を見れば、それは一目瞭然だろう。
きっと、全く行く気のない住人にも声を掛けて回ったに違いない。
「ジャア、先にお花見始めてようヨ〜!!お腹減った〜!」
「そうだね!!…あれ?それじゃあ……クマーくん来ないの!?お花見しないの!?」
皆が準備をして地面に座る中、気付いたフローラがクマーを探しに行こうとするのを、アジムナーがやんわりと止めた。
「大丈夫さ……彼もうすぐ来るみたいだからね…♪」
「よ、よかった…」
「よっしゃーーー!!皆のもの宴じゃーーーー!!!」
「セルルン酔ってる!?」
「やっぱり宴と聞くと参加せざるを得ませんねェ…♪」
「フローラちゃん!このお菓子食べます?」
皆が盛り上がる中「アッ、忘れ物しちゃったヨ〜」と言って久遠は席を立った。
森の中へと歩いていく。
実は全く忘れ物などしていない。していたとしても戻る必要性はない。
あくまで忘れ物は口実であり、皆も分かっているだろう。…いや、気付いてない人も数名いるかもだが。
少し歩いて、1番最初に寝っ転がった桜の古木のところへ戻ってきた。
皆の騒いでいる声は聞こえるが、木が密集しているためその姿は見えない。
自分は改めてクマーと向き合った。
「くまーはアッチに行かナイノ?」
古木に寄りかかり、ジャンプから目を離さない。
けれど、どこか雰囲気が違うなと思った。まぁ、十中八九桜の所為だろう。
『僕は行かないよ♪……君こそ、戻らなくていいのかい?』
「別にイインダヨ〜♪」
『もしかしたらこれが最後なのかもしれないんだぜ?』
「最後?」
『そうそう…僕たちはいつ死ぬのか分からない……もしかしたら明日死ぬ可能性だって…家路の途中で死ぬ可能性だって……』
『今僕に殺される可能性だって』
「ッ!?」
腹に深々と突き刺さる螺子。思考が追い付かない。今何をされた。息苦しい。でもなぜか……なぜか、ほっとした。
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『 夜風 』(プロフ) - 梓裄乃さん» 照れる!!!((( (2016年2月7日 21時) (レス) id: d950e831b1 (このIDを非表示/違反報告)
梓裄乃 - 『 夜風 』さん» イケメンでふ…( イケメンなのでふ…! (2016年2月7日 21時) (レス) id: d21d4cb30a (このIDを非表示/違反報告)
『 夜風 』(プロフ) - 梓裄乃さん» イケメンじゃないよう() (2016年2月7日 21時) (レス) id: d16a6852eb (このIDを非表示/違反報告)
梓裄乃 - 『 夜風 』さん» 京さん…!(トゥンク 京さんがイケメンすぎて…!辛い…! (2016年2月7日 21時) (レス) id: d21d4cb30a (このIDを非表示/違反報告)
『 夜風 』(プロフ) - 梓裄乃さん» 見間違いじゃないぜ? (2016年2月7日 20時) (レス) id: d16a6852eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:化け狐 | 作成日時:2015年5月16日 17時