「僕ハ平等ダカラネ♪」 ページ22
「今日は君に渡したい物があってさ♪」
「ン?なァに?」
とある学園。
フローラの大規模魔法により、転校生という設定で、魔力の取り上げ、スカアトリーの住人全員が学園に来ていた時のこと。
ついさっきまで風紀委員に連行されるのを避けるために、食堂で食べ物をモグモグしていたのだが……。
ここは、一体どこだろうか。
規則的に並べられた学校机と椅子。
その教室のど真ん中に、自分は座っていた。
昼前だったのにも関わらず、教室は夕暮れ時のようにオレンジ色だった。
その教卓に、スカアトリーの神、アジムナーが座っていた。
「わァ、びっくりしたヨ〜…で、渡したい物って?」
「確か久遠ちゃんは食べるのが好きなんだよね?」
まぁ、見るからにそうに違いない。
今まさにカステラを食べ終えたところだ。
「ウンウン♪……まァ、よく分からナイケド、ソレで合ってると思うヨ〜」
「そうかそうか…ならこれをプレゼントしよう♪」
ポンッ
軽い音を立てて自分の目の前に出てきたのは、いかにもプレゼントボックスという、白い箱を赤いリボンでラッピングしたのが出てきた。
随分と粋な演出である。
箱を開けると、中には板チョコが入っていた。
「…もらってイイノ!?」
「もちろんさ♪そのためにプレゼントしたんだからね…さぁ、お食べ♪」
「いっただっきマース!!」
なんの躊躇いもなく、板チョコを口の中に放り込んだ。一口で完食。
それをニコニコしながら見守っていたアジムナーだったが。
「実はその板チョコ、スキルなんだよね♪」
「エッ」
「あぁ、別に食べたから超サイヤ人になるとかじゃないぜ?
そのスキルは、何でも食べるスキル
持ち主の食欲に応じて、規模が変化する、少し扱いにくいスキルでね…
別に僕が持っててもいいんだけど、別に僕は食べなくても生きていけるからさ…久遠ちゃんに有効活用してもらおうと思って♪」
「ナンデモ…?」
気付くとアジムナーは消えていた。
どうやってここから出ようかと考えていると、どこからともなく声が聞こえてくる。
「そう…なんでもさ♪
空間も言葉も記憶も…コンクリートだって♪
さぁ、久遠ちゃん……想像してご覧。
この教室の空間を食べるのを…この空間に穴が空くのを…♪」
アジムナーに従って食べようとすると目の前の空間に穴が開いた。
「ねェ、ナンデこんな事してくれたの?」
「ん?そうだね…まぁ」
目の前から外に這入る。
「僕は全員に平等だからね♪」
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『 夜風 』(プロフ) - 梓裄乃さん» 照れる!!!((( (2016年2月7日 21時) (レス) id: d950e831b1 (このIDを非表示/違反報告)
梓裄乃 - 『 夜風 』さん» イケメンでふ…( イケメンなのでふ…! (2016年2月7日 21時) (レス) id: d21d4cb30a (このIDを非表示/違反報告)
『 夜風 』(プロフ) - 梓裄乃さん» イケメンじゃないよう() (2016年2月7日 21時) (レス) id: d16a6852eb (このIDを非表示/違反報告)
梓裄乃 - 『 夜風 』さん» 京さん…!(トゥンク 京さんがイケメンすぎて…!辛い…! (2016年2月7日 21時) (レス) id: d21d4cb30a (このIDを非表示/違反報告)
『 夜風 』(プロフ) - 梓裄乃さん» 見間違いじゃないぜ? (2016年2月7日 20時) (レス) id: d16a6852eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:化け狐 | 作成日時:2015年5月16日 17時