抜ケ出セ ページ17
「ア、デモ戦争してルンダヨネ〜…♪
モウソンナコトしナイように、戦うヒトビトは全員喰べチャウ?」
1人考え込むように、腕を組む。
実際、自分は適当に物を言っているだけだ。
意味なんて無い。
「よし!面倒ダカラやめよう♪」
クロウツは今どんな顔をしているのか、背を向けている為に分からない。
「スカアトリーに、行くの…?」
か細い声が、少し後ろから聞こえた。
「分かんナイ〜♪考えてみルヨ〜」
「なら……ここから出られない僕の代わりに、スカアトリーでたくさんの経験をして、たくさんの人と出会って…」
首筋に冷たい物が当たった。
「…そんなことが、出来たら、よかった、のにね……っ!!!」
無機質に響く金属音。
何かと何かがぶつかって自分を囲っていく。
金属の棒のような物が、自分の体を固定するように突き刺さる。
兄弟たちといた時には出なかった血が、出た。
「……痛い…イタイヨ…くろ、うつ……」
数分後、大きな鳥籠の中に、自分と、自分の血と、自分から抜き取られた金属が大量に転がった。
「…君を世界に放つのは、危険過ぎる……
僕がここで君を止めるよ…」
「…コンナノ…さっきマデ、なかった、ノニ…」
自分の横に転がる金属の棒を、触ると血を吸い取る魔剣が如く、そこから血が吹き出す。
それが数分も続けば動けなくなるのは必然だった。
「想像は創造だよ……ここでは全てが想像したものが現象として、現実として具現化されるんだよ
…想像は力だ…」
力無くそう呟いた。
殺す事に抵抗があるのか、はたまたしばらく戦っていなかったから鈍っているのか。
その顔は晴れ晴れとしない。
「その体じゃ動けないだろ…?
そのままそこにいてくれよ…世の中に君を放つ訳にはいかないんだ…」
向けられた背は、まるで苦しいと言っているようだった。
「……ナンデ…
…ジブンの道を人に決められないと行けないのか、分からナイヤ」
足に力を入れてゆっくりと立ち上がる。
体のあちこちが痛む。ボタボタボタと血が色々なところから落ちた。
「そんな体で動くと本当に…!」
「…『僕』は…」
………チリィン…リン……
鳥籠と鉄の棒が全て消え去った。
最初に会った時と同じように、真っ黒な空間に自分とクロウツだけが存在している。
「…なっ……一体何を…」
「簡単ダヨ…想像は創造ナンデショ?」
「そうか…!全てが消える想像をしたのか…!」
「…ジブンはスカアトリーに行くヨ♪」
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『 夜風 』(プロフ) - 梓裄乃さん» 照れる!!!((( (2016年2月7日 21時) (レス) id: d950e831b1 (このIDを非表示/違反報告)
梓裄乃 - 『 夜風 』さん» イケメンでふ…( イケメンなのでふ…! (2016年2月7日 21時) (レス) id: d21d4cb30a (このIDを非表示/違反報告)
『 夜風 』(プロフ) - 梓裄乃さん» イケメンじゃないよう() (2016年2月7日 21時) (レス) id: d16a6852eb (このIDを非表示/違反報告)
梓裄乃 - 『 夜風 』さん» 京さん…!(トゥンク 京さんがイケメンすぎて…!辛い…! (2016年2月7日 21時) (レス) id: d21d4cb30a (このIDを非表示/違反報告)
『 夜風 』(プロフ) - 梓裄乃さん» 見間違いじゃないぜ? (2016年2月7日 20時) (レス) id: d16a6852eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:化け狐 | 作成日時:2015年5月16日 17時