♦09 ─ 噛み跡。 ページ9
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｢あれ、Aちゃん。この噛み跡どったの、｣
｢ぇ、あぁ、この前勝手に付けられたやつですよ。｣
｢そーゆーの嫌がると思ってた、おれ。｣
｢誰かのモノ、みたいで嫌じゃないですよ、私。｣
｢まじかぁー。もっと早めに言ってよそれ、付けたのに。｣
｢今じゃ、遅いですか。｣
｢………………遅くないかもね、｣
いつも通りのような、都合のいいお呼ばれ。髪の毛を解かれて、服を脱がせられていれば、首元の噛み跡に、指を滑らされる。嫌がる、という言葉に、嫌だと思ったことは無い。勿論、彼氏にされても嬉しいし、その他にされても気にしたことは無かった。人からしたら、誰かの所有物扱いかもしれないが、私にとっては必要とされてると錯覚してしまうから。
付けたのに、て言葉に、思わず言葉が出る。今じゃ遅いのか、と。そうすると、目の前の彼は柔らかく笑い、目を細めては、私の手を指を絡めつつ、握った。
大きな手で、じんわりとしたような温もりを感じる。男の人の体温って、なんでこんなにも高いんだろ。だからこそ、人肌が恋しくなることが多かった。唇を押し付けられて、流れるようにと首元へと降りていく。歳上は、余裕があっていい。任せっきりでいいから、楽だと思うの。
けど、あんなにもは必死で、一生懸命だったローレンくんを思わず思い出してしまう。悪くなかったな、それはそれでって思っていれば、知らぬ間にベッドに押し倒される。
｢Aちゃんってさ、煙草吸うの？｣
｢最近、吸い始めました。｣
｢なんで。｣
｢他の人に、吸ってって言われたから。いや、でした？｣
｢ん、いや。だって、他の男の匂いと同じだから。｣
｢………………そんなこと、気にしたことないくせに。｣
｢はは、確かにそうかも。｣
香るような、セブンスターとメンソールの匂い。少しだけ吸ったとしても、隣で何本も吸うローレンくんが居る。だからこそ、匂いが着いてしまったのだろう。嫌いな人も居るからな、て思いつつも、あの日以降からローレンくんはよく屋上に来るようになった。気分だったなら、保健室や空き教室で、ということもあるけど。
結構、煙草を吸うだけの仲になったと思う。それだけ。都合がいい、目の前の彼を見つめつつ、未だに慣れないような快感に、枕を握るだけ。
ねぇローレンくん、私、そこまで綺麗な人間なんかじゃないんだよ。別に、知って欲しいわけじゃないんだけどさ。
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狸。(プロフ) - あさきさん» コメントありがとうございます〜❕そう言って貰えて嬉しいです🫶🏻ドロっとしたような感情だとか考え表現出来ているようで、嬉しいです🫶🏻チマチマとですが、更新していきたいと思います❕ (3月14日 19時) (
レス) @page11 id: d70759b3bd (このIDを非表示/違反報告)
あさき(プロフ) - ドロドロとした考え凄い好きです！！！(表現の仕方、すみません)続き楽しみにしてます！ (3月14日 17時) (レス) @page10 id: 2e9509526a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狸。 | 作成日時：2024年3月8日 3時
