♦04 ─ 喫煙仲間。 ページ4
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錆びれた扉の向こう側から姿を現したのは、同じクラスの人だった。未成年喫煙者というワードが頭の片隅に残っており、よくクラス内で騒がしくしている。所謂問題児に含まれるような人。だけど、人気者という印象もある。この人はきっと必死にならなくても、色んな人から必要とされる存在なんだと私は思う。
まるで、空高く上り、我々を照らしている太陽のようにと。だから、自分が劣っていると感じるからこそ、あなたを私は知っている。軽やかな声が、静寂すぎる世界に響く。まるで、少しの運命を動かすかのようにと。
｢あーぁ、オレ見ちゃった。河橋さんって吸うんだな、そーゆーの。｣
｢人のこと言えてないんじゃないですか、ローレンくん。よく、噂で聞きます。未成年喫煙者、って。｣
｢優等生の河橋さんに認知されてんだ、嬉しーななんか。何吸ってんの、てか、なんで吸ってんの。｣
｢せぶんすたー。彼氏、のようで彼氏じゃない人から、吸ってみればと言われただけです。だから、吸っただけです。｣
｢へぇ。オレ今日ライター忘れたから、火、ちょーだいよ。｣
｢どーぞ。｣
｢そっち、じゃなくて、こっちでくんね。｣
低くて、けど聞き取りやすいような声の主は、ローレン・イロアスくん。
熟れきったような林檎の赤、全人類が太陽は赤色だというような、赤。結ばれた髪は、まるで夏祭りの屋台で泳いでいる金魚のようだった。追いかけても、ユラユラとしっぽ揺らし、逃げていくような、金魚。箱庭で育ったかのような上品さをお持ちではないが、少なくとも存在価値というものは常にあるのだろう。
私にとっては、それが羨ましくては恨めしくて仕方がない。
廃れきった興味も恐らく、何処かに置いてきてしまったのだろう。欠けた部分しかない私と、常に完成されているような彼との差は、恐らく何をどう足掻いても埋まることはない。引いたはずのレールを、あなたはまるでなんの疑いもなく飛び越え、詰め寄り、当たり前のようにと私の隣に並ぶ。
キィ、と音を立てて柵を軋ませては体重を預けられる。ライター忘れたから、という言葉に、ポケットに忍ばせていたライターを取り出した。
けど、彼は一切受け取る素振りもない。それに、首を少しばかり傾げながらも、煙草を口に咥え吸い込んだのなら、目を細められる。それでいて、煙草の先っぽ同士をくっ付けられる。
焼ける音と、匂いが、また脳を突き刺すだけ。
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狸。(プロフ) - あさきさん» コメントありがとうございます〜❕そう言って貰えて嬉しいです🫶🏻ドロっとしたような感情だとか考え表現出来ているようで、嬉しいです🫶🏻チマチマとですが、更新していきたいと思います❕ (3月14日 19時) (
レス) @page11 id: d70759b3bd (このIDを非表示/違反報告)
あさき(プロフ) - ドロドロとした考え凄い好きです！！！(表現の仕方、すみません)続き楽しみにしてます！ (3月14日 17時) (レス) @page10 id: 2e9509526a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狸。 | 作成日時：2024年3月8日 3時
