♦01 ─ 優等生。 ページ1
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真面目に授業を受ける。分からない所があれば教師に聞く。積極的に手伝いをする。定着したような” 優等生 ”という仮初の姿は、いつまでも私の首を締め付けていた。伽藍堂に吐き出した言葉なんてものは、もうどこにも存在しないようにと。いくら優等生という皮を被れども、ついてまわる様な噂は存在している。
｢知ってる？河橋さん。年上と付き合ってるんだって。｣
｢パパ活ってこと？｣
｢さぁ、｣
真偽も不明であろう噂は、いつの時代にも存在するらしい。前半ホント、後半違う。どちらかというと、相手からお金を貰っている訳では無い。私がお金を渡しているのだ。だから、私の方がパトロンということになるのだろう。
好きですかという問いかけに、肯定されたいと答えていた。愛していますかという問いかけに、私の存在を認めてよと答えていた。ちぐはぐのような質問と回答。合わさることの無いパズルのピースのようにと、嵌め込まれることはきっとないのだろう。
はは、と乾いたようにと笑いつつ、鳴り響いた通知音は私の延命措置に違いない。
｢今日、家来ない？｣
たった一文が流れ込む。バナーから見えた名前と、その一言。指先でタップすれば、すぐさま連絡アプリが開かれる。｢何時に行けばいいですか。｣て問いかけたのなら、すぐさま既読の二文字。淡々としたような｢18時。｣という言葉に、分かりましたと軽いような言葉を投げかける。トーク画面を閉じても尚、私からのメッセージで終わっていることが多い。
” 求められる ” ” 求められたい ” ” 求められるべき ” なんて猫も杓子もみな寄ってたかって、当たり前のように押し付ける。絶え間ない 3段活用はいつも私を生かすだけの方法でしなかった。
彼氏なのかという問いかけに、私は｢そんな良い関係なんかでは無い。｣と初めて、その質問にちゃんとした回答を添えることだろう。予鈴が鳴り響いた6時間目の授業。ぎゅうっと電子端末を握りつつも、あの家に帰らなくて済む理由を私は探していた。例え、仮初の優等生だとしても、私にとっては致死量の毒に違いない。
私は、私が生きているという存在証明が欲しいだけ。ただ、他の人から｢必要｣とされたいだけ。そこに、愛なんてなくなっていいし、あって欲しいとさえ思わない。虚像にまみれたような優等生という皮は、私を縛り付けるためだけの鎖だと、私は思う。
なんて、バカみたいだね。
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狸。(プロフ) - あさきさん» コメントありがとうございます〜❕そう言って貰えて嬉しいです🫶🏻ドロっとしたような感情だとか考え表現出来ているようで、嬉しいです🫶🏻チマチマとですが、更新していきたいと思います❕ (3月14日 19時) (
レス) @page11 id: d70759b3bd (このIDを非表示/違反報告)
あさき(プロフ) - ドロドロとした考え凄い好きです！！！(表現の仕方、すみません)続き楽しみにしてます！ (3月14日 17時) (レス) @page10 id: 2e9509526a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狸。 | 作成日時：2024年3月8日 3時
