アンタがアンタで良かった。 ページ9
「…ぁ…?」
暗闇から目が覚めた。
「…お、起きたみたいだね、恵」
揺れる身体。…車の中だろうか。
少し動かせばズキズキと痛む身体。…領域展開と呪力の使いすぎか。
その痛みに触れないよう、ゆっくりと身体を起こした。
窓の外を見れば動く景色。横を見れば、笑っている五条先生の姿。
「…なん、ですか」
「いいや?恵がボロッボロになって寝てる姿、後で皆に見せようと思って。」
…人がせっかく呪霊倒したのに、この人は…
…殴る気力も失せた。
ギロリと睨んでから前に視線を戻すと、横から「え、手出してこないんだ」と拍子抜けした、というような声が聞こえた。
その声を無視して、先生に聞く。
「…俺、倒せたんですよね、」
手を前に出せば、あの感覚がまだ残っている。
でも、俺は本当に倒せたのか、心配だった。
相手は特級。一回倒しても生き返るなどというチートを発揮する可能性もある。
自然に顔を顰めていた。
五条先生は頷いた。
「うん。君は特級を倒した。
凄いよ、一級に昇格したばっかりなのにもう特級を倒しちゃうなんて。」
さすが僕〜♪と鼻歌を歌う先生。
「…そうですね、アンタのおかげでもあるかもしれません」
認めたくないが、先生のおかげでもあった。
アンタがちゃらんぽらんな大人じゃなかったら、きっと俺を任務になんか行かせていなかっただろう。
良識のない大人で良かったと思えた瞬間はきっと、後にも先にも今しか無いだろう。
「恵今日おとなしいね。どしたの、生理?」
「はっ倒しますよ」
ほら、もう良かったなんて思えない。
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みかん狐。(プロフ) - ルルさん» えっ…ハマってもらえたことに嬉しいという感情しか生まれませんどうしましょう()続きが気になるほど…私も嬉しすぎて今日は夜しか寝れなそうですよ(?)コメント、閲覧有難う御座います!! (2022年2月26日 16時) (レス) id: af05efaa9e (このIDを非表示/違反報告)
ルル - ハマっちゃったんですけど!どうしたらいいんですか!?ハマっちゃったせいで続きが気になり、夜しか眠れないんですけど!??(??) すみません!更新待ってますね。 (2022年2月26日 15時) (レス) @page3 id: 0fb48e7dd1 (このIDを非表示/違反報告)
みかん狐。(プロフ) - RIOさん» えっ“好き”…!?いや、もう感極まってます今…()あと分かります…推しからの愛ほど尊いものはないっすよね…それがどんな愛だとしても()更新頑張らせていただきます!初コメ有難う御座います〜!! (2022年2月26日 8時) (レス) id: af05efaa9e (このIDを非表示/違反報告)
RIO - うっわ、めっちゃ好きなんですけど、、推しからの愛ってめっちゃ良いですね……あ、親愛とかも込で。更新頑張ってください! (2022年2月26日 8時) (レス) @page3 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかん狐。 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/purerisu27/
作成日時:2022年2月25日 6時