53 ページ10
「なぁ、ゾム。何しとんの？」
ゾム様の手が離れた途端、私はその場に座り込んだ。
「A、大丈夫？」
そう言ってこちらに近づいてくるシャオロン様。
「だ、大丈夫…大丈夫です…！」
慌てて立とうとするが、腰が抜けたのかなかなか立つことができない。
「……シャオロン」
「…ゾム、Aに何か言ったんか」
「っ、こいつが死なんかったらシャオロンは後悔せんかった！たかが使用人の1人が死んだくらいであんなんなるの、おかしいやろ！」
「たかが、やないねん」
俯いたシャオロン様は小さくこぼした。
「お前に俺の気持ちが分かるわけないやろ！」
「お、俺は、お前の為を思って、」
「俺の為？勝手なことすんなや！！」
「勝手？そんな言い方ないやろ！俺はシャオロンが心配で…！」
「っ、宮坂さん！」
ドタドタという足音に顔を上げると、廊下には人だかりができていた。
普段静かなこの場所からこんな怒鳴り声が聞こえて来たなら、みんな集まるに決まってる。
その中からひとらんくんがこちらに向かってくる。
「どうしたの？何があったの？」
「あ…これは、」
「怪我した？立てる？」
一瞬躊躇したものの、差し出された手を掴んで何とか立つことができた。
「ちょっと、ゾム、シャオロン！何喧嘩してんだよ！」
「ひとらんには関係ないやろ！」
とうとう掴み合いになった2人をひとらんくんが止めようとするも、聞く耳を持たない。
「何しとんねん、お前らぁ！！！」
一際響く大音量の声に、野次馬も当人達も一気に黙り込んだ。
「ったく、喧嘩しとるやつがおるって言われて来てみたら…お前らか」
トントンさんはそう言うと、一緒に来たであろうコネシマさんと共に2人を羽交い締めにした。
「シッマ、離せや！こいつ殴らんと気がすまん！」
「落ち着けって、シャオロン！」
「トントン…！俺はシャオロンの為を思って！！」
「あー分かったから、お前も止まれゾム」
そのまま引きずられるようにして2人はどこかへ連れて行かれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1774人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちごおしちゃん☆(プロフ) - この作品も最高でした!!!!!!可愛すぎる……嫉妬しちゃったzmさん……。もう全ての作品が神作です!!!!もう本当に大好きです!!!!これからも応援してます!!!! (2023年3月31日 21時) (
レス) @page19 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
大根おろし(プロフ) - 途中どうなる事かと思ったんですがハッピーエンドで泣いて喜びました、！完結おめでとうございます👏 (2022年7月31日 10時) (レス) @page19 id: b2446655e6 (このIDを非表示/違反報告)
#ffcc00(プロフ) - らにさん» 迅速な対応 誠にありがとうございます。しっかり開放されております。早速DM送らせていただきますね。 (2021年12月19日 20時) (レス) id: 39fce20dd3 (このIDを非表示/違反報告)
らに(プロフ) - #ffcc00さん» お問い合わせありがとうございます。設定変えましたが大丈夫でしょうか？ (2021年12月19日 20時) (レス) id: 0ca7e6fa38 (このIDを非表示/違反報告)
#ffcc00(プロフ) - はじめまして。らにさんのTwitterをフォローさせていただきたいと思ったのですが、DMが解放されておらず…お手数お掛けいたしますが、一度ご確認いただけませんでしょうか？よろしくお願いいたします。 (2021年12月19日 20時) (レス) id: 39fce20dd3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らに
| 作成日時：2020年6月10日 18時
