【弱虫ペダル】この気持ちに名をつけるならそれは「恋」【巻島 祐介】

恋 27 ページ33

「巻ちゃんっ！
俺達はこれまで五分五分の戦いをしてきた！

これでも勝負をつけようじゃないかっ！」


「当たり前ショ！！」


「やっぱり、先輩達は速いね…
ね、坂道君」


「そうだね……でも、先輩達の走りかっこいい……」


「うん………かっこいいよね！
だからって僕たちも負けてられないよ？」



もう1段ギアを上げた真波。
その彼の後ろ姿に小野田はもう一度翼を見た。

真っ白の翼を……


・


そして、クライムステージは終わりを迎える。


「最後っショぉぉ！！」


「うわぁぁぁああっっ！！」


ザアァッ！








・









・









・








・








・

「……っはぁ…はぁ。
これはどっちが勝ったか分からなかったショ…」

「はぁ……んっ……はぁ…だな……」



・


「監督……今のは……？」



「今、センサーから記録が出て送られてきた。


こんな事もあるんだな……全く自転車という競技はこれだから面白い。

奇跡があるんだな………」



監督がおかしなことを言っているので自分で記録を見ることにした。


「……こ、これは……

1着 東堂尽八
1着 巻島祐介
3着 真波山岳
4着 小野田坂道


……一寸の誤差もなく同点ですね…
そして、小野田君も真波とほんの1秒差ぐらい……


これで、東堂の長話を聞くことになりそうです」


そんな、昔まではめんどくさかったと思っていたことが今では少し楽しみにしている私がいたことは、事実。




(本当に、巻島さんのこと好きになっちゃったんだな私…)

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