【弱虫ペダル】この気持ちに名をつけるならそれは「恋」【巻島 祐介】

恋 19 ページ21

「そろそろ走りたいんだが……」


「あぁ、そうだね、福富。
じゃあ、皆さん準備してください」


がやがやと準備を始める皆さん。
その中で私はずっと巻島さんを目で追っていた。


あの人はクライマーだと尽八から嫌という程聞かされていた。
とても、素晴らしいクライマーだと……

彼の走りが早くみたい…
その衝動が私の心の中で蠢いた。




「まーきちゃん♪
絶対に山頂はとらせんぞ！！」



「俺も譲る気はないショ。
それに、こちらには小野田もいるんでな」



「何を言うそれなら、こちらにも真波が……

あれ？真波！！どこに行ったのだ！？」



尽八がわたわたと焦っていると泉田君がやってきて部室で寝てましたよ。と尽八に告げたところ猛ダッシュで走り去っていった。



「えっと……真波君と尽八がいないけど、走るコース説明をします。

まず、門を出てから右に曲がり国道に出て海沿いを南下し河津を右折し天城原峠を越え市営駐車場がゴールの130キロのコースです。


体調不良や落車があっても、後ろから私が監督と車で追いかけますので安心してください」


コース説明が終わったところで尽八と真波が帰ってきた。

・


インターハイでもどこかのレースでもないにしろこのピリピリとした緊張感は物凄い。



「では、スタートっ！」



風のように走る選手達。
見るのが楽しみだ。

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