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1.兄の存在 ページ1
「久しぶりだね、隼人君」
兄は隼人の髪をくちゃっと掻き回した。
隼人はやめてくださいよ子供じゃないんですからと、言ったものの兄は楽しそうに今度は悠人君の髪の毛を乱した。
それから、少しして前の2人に隠れていた私を目に捉えたらしい。
ハッとした顔をして罰が悪そうに眉を潜めた。
「隼人、ごめん帰る」
「え、あぁ。うん」
兄の脇をすり抜けて玄関を出る時ふと振り返ると隼人と悠人君の嬉しそうな顔が見えた。
そういえば、2人とも兄のこと好きだったもんね。
私は唇を噛み締めて1人寂しく家へと帰った。
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家へと入れば、出て行った時よりも綺麗な廊下や階段が目に入る。
これが兄のためにされたことだから、こんなにも腹が立つのだろうか。
「ただいま」
誰にも聞こえないぐらいのささやき程度の声を玄関に響かせた。
余計虚しくなるだけだった。
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作者名:人間不信 | 作成日時:2015年3月12日 0時