【弱虫ペダル】走思走愛〜強き君達に翼を授ける〜2

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ザァァア……と、体育館に響く3人が自転車を漕ぐ音。

その姿は手を抜いているようには見えず、圧迫感というかそのようなものがありこちらまで緊張する。


福富「自転車は下りでは70〜80キロは当たり前の速さです」


途中福富先輩が説明を入れるとおおっ！すげぇ！などと言った声が上がる。

と、自転車に乗っている新開先輩がバキューンと皆の方へとやると、黄色い声が上がった。

おおっ、すごい……と思っていると今度はビシッと東堂先輩が指差すポーズをする。

とまた黄色い声。しかし、先ほどより凄い。
新一年生でも目がハートに……

それにしても、2人のパフォーマンスは終わった。だが、荒北先輩は……やはりやらないのか。

と、思った瞬間だった。

ギャァァァアア！！と荒北先輩の自転車が音を立てていた。

先ほどの黄色い声も止み、ただただ荒北先輩の走りに誰もが目を奪われた。


それは、新一年生は勿論、2.3年生。先生方、自転車競技部の後輩や同級生等、勿論私も例外ではない。

そして、隣を走る東堂先輩と新開先輩もであった。


この気持ちはなんだったけ……懐かしい心地…

あぁ、そうだ。2年前の心躍るあの瞬間。
額から頬にかけて汗が流れやがてはビアンキのフォルムに汗が一滴二滴と垂れる。

そして、まっすぐ見つめる荒北さんの瞳。


そんな、彼に誰もが見入った瞬間だった。

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