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このチャギの反応からしてみても、上手くいったのではないか。微かに残っていた年上の威厳が少しだけ大きくなったのを感じる。しかし、手を繋いで歩いているのにもかかわらず、隣に来てくれない。せっかくなら並んで歩きたいので、少し早足で近づくもさらに早く歩かられてその距離は縮まらない。
『チャギヤ、並んで歩こうよ』
私のお誘いはやだの一言で一蹴されてしまう。そんな事で私がへこたれるはずもなく、手を引っ張って歩けないようにしてから隣に並ぶと、顔全体が赤らんだチャギがそこに居た。
『ふふーん、ヌナの隣に並ぶの照れてたな』
『…だって、単に出かけれたらいいと思ってたのにそんなに可愛くして来てくれると思ってなかった、ですもん』
俺ももっとかっこよくしてくればよかった、なんてぼやいているけれど、チャギはそのままで十二分にかっこいい。イケメンは着飾らなくてもオーラがあるのだから、そんなに気にしなくていいと思うのだけれど。そう伝えると彼は先程よりも頬を染めて、行きましょうと私の手をさらにぎゅっと握った。
いつの間にか隣に並んでくれていて、それでも顔はこっちに向けないチャギが愛おしくてくすくすと笑ってしまう。それをみてチャギはなんで笑ってるの、なんて拗ねたように言うからまたそれが可愛くてなんでも、と意地悪で返してしまった。
ちなみにどこに行くのかと尋ねると、カフェに行くことしか決めていないそう。どうしようかと悩んでいると私のカトクの通知がなった。開いてみるとハンビンからで、お母さんの経営してるカフェにこないかとの提案。いつでもいいからぜひ来てね、という文とともに添えられた位置情報を見て、水を得た魚のように目を輝かせるチャギ。なんだか嫌な予感がする。
『Aヌナ、ヒョンのところ行きましょう!今すぐにでも!』
『絶対ハンビンの反応見たいだけでしょ』
『あの完璧なヒョンのお顔が少しでも崩れるところ、Aヌナも見たくない?』
そう尋ねられると、確かに見てみたい。無言を肯定と捉えられたのか、じゃあ行きましょうか、と引き返して電車の方へ向かう。チャギ、人をからかうのが好きなのか、揶揄えるって分かると本当に楽しそうにする。
それもあるかもしれないけれど、私もチャギもハンビンのお店に行けることは本当に楽しみなので、どんな感じかなとわくわくしながら向かうのだった。
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RUNA(プロフ) - いえいえ教えてくれてありがとうございます! (2023年4月4日 15時) (レス) id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - RUNAさん» コメントありがとうございます。こちらの作品ではチャギはパクハのことになっております。分かりづらかったりミスしていましたら申し訳ございません。 (2023年4月3日 21時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
RUNA(プロフ) - チャギってパクハでしたっけ? (2023年4月3日 13時) (レス) @page34 id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - 鈴木さん» コメントありがとうございます〜!そう言っていただけると嬉しいです(;;)これからもゆっくりと書いて行きますのでのんびりとお待ちいただけますと幸いです! (2023年3月30日 6時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
鈴木(プロフ) - クムとパクハが大好きすぎて頭抱えてます大好きです(;_;) チャギ呼びもクムの騒がしい感じも最高ですこれからも応援してます!!! (2023年3月27日 22時) (レス) id: 3e062d6061 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りあ | 作成日時:2023年3月17日 22時