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少し冷たい手で私の手をぐっと握り、テレと共に食堂を出る。私の部屋がいいと言ったものの、テレは私の部屋の場所を知っているのだろうか。あ、前部屋の前まで迎えに来てくれたからわかるのか。ダンスの練習を一緒にしたのは少し前のはずなのに、遠い昔のように感じる。


テレを揶揄うと反応はいいし可愛いしで、何度彼のことをいじってしまう。ちょっとやりすぎて拗ねさせてしまったけれど、そのお返しが私のわがままを打ち明けて欲しいなんて、なんとも可愛らしいおねだりだ。テレから言ったのだから、存分に甘えさせてもらおう。


自分の部屋に着くと、何故か部屋の前にユジンとチャギがいて、首を傾げる。チャギは私の姿が目に入ると同時に、やっと戻ってきた、と軽くため息をついた。


『Aヌナの部屋遊びに行って、居なかったから帰ろうと思ったらたまたまユジンと遭遇して、にヌナが来るまで一緒に待っててって言われてさあ』


『だってヌナ、帰ってくるって言ってから戻ってこなかったですもん』


そういえば戻ってくるって言った気がする。3人は空返事をしていたから覚えていないものだと認識していた。ユジンは冷えピタを貼って楽になったのか、評価後よりも随分体が楽なように見えた。廊下に4人も留まっては邪魔になるので、2人まとめて部屋の中に入れる。2人きりじゃなくなった、と小さく聞こえたテレの声は、一旦聞こえなかったことにしよう。


『せっかくAヌナと2人っきりになれると思ったのに…。ハンビンとユジンがいると思わなかった』


聞こえなかったふりをしていたのに、再度大きく呟くものだから意味がなくなる。ハンビンはいつの間にヌナに成長したの、なんてテレをからかい始めるし、ユジンはユジンでテレテレキムテレさんじゃなくなってる、と聞こえそうな声で呟くのはやめて欲しい。下のベッドのフレームに背中を預けて腰掛けていると、ユジンは私の足の間にちょこんと座ってきた。


『ユジン、私なんも前見えないよ』


『今は特に困らないですよね』


私の腕をにぎにぎ掴んだり、ぶんぶんと上下に降って謎に遊ぶユジンは何故か満足げなのでまあいいだろう。テレはチャギにからかわれてまた少し拗ねてるし、そんなテレを見てハンビンはなんだか楽しそうだ。
皆、ずっと張り詰めていた再評価というプレッシャーを終えたことにより、開放感があるのだろう。以前まで張っていた気が少し緩まっているような気がした。

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作品ジャンル:イラスト
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RUNA(プロフ) - いえいえ教えてくれてありがとうございます! (2023年4月4日 15時) (レス) id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - RUNAさん» コメントありがとうございます。こちらの作品ではチャギはパクハのことになっております。分かりづらかったりミスしていましたら申し訳ございません。 (2023年4月3日 21時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
RUNA(プロフ) - チャギってパクハでしたっけ? (2023年4月3日 13時) (レス) @page34 id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - 鈴木さん» コメントありがとうございます〜!そう言っていただけると嬉しいです(;;)これからもゆっくりと書いて行きますのでのんびりとお待ちいただけますと幸いです! (2023年3月30日 6時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
鈴木(プロフ) - クムとパクハが大好きすぎて頭抱えてます大好きです(;_;) チャギ呼びもクムの騒がしい感じも最高ですこれからも応援してます!!! (2023年3月27日 22時) (レス) id: 3e062d6061 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りあ | 作成日時:2023年3月17日 22時

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