Violeta 2

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『絶対思ってないですよね』


テレはじっとりとこちらを睨んでくるが、可愛いので全然怖くない。テレのことは本当にかっこいいと思ってるのだけれど。まあそれ以上に可愛いと思ってしまったけれど。


『テレはかっこいいよ。ダンスはしなやかさの中に男らしさが垣間見えるし、高音だって男性のよく通る声、って感じだし。なんていったってお顔もかっこいい。切れ長気味の瞳はもとより、笑った時にとっても可愛いのとのギャップで普通にしてる時が特にかっこよく感じる。前髪上げて眉毛見せたらもっと凛々しくなって男らしさ増しそう』


テレのふわふわとした前髪をさらりと持ち上げると、整った眉毛が顕になる。髪の毛を変えるだけでこんなに雰囲気が変わるのだから、イケメンはずるい。こっちもやっぱりかっこいいね、と声をかけてもテレからはなんの声も聞こえない。不思議に思い顔を除くと、頬を赤く染めあげたテレがそこに居た。


『ヌナ、そういうのあんまり直接言っちゃダメだよ』


ゴヌクに何故だが宥められている気がする。思っていることを言っただけなのに、なぜ良くないのだろう。腑に落ちない。悪口ではなく単に褒めているのだからいいと思うのだけれど。


『テレテレキムテレさんだ』


『ヌナ！俺のことももっと褒めてください！具体的に！』


ユジンはさらっとテレのことを弄るし、すこし静かになっていたはずのジュンヒョンはまた騒ぎだす。ジュンヒョンもかっこいいよ、と返すとそうじゃない！となんだか駄々を捏ねていた。


『Aヌナの人たらし。そういうのよくないんですよ。責任とってください』


『え〜、じゃあ結婚する？』


日本男児の責任の取り方は嫁に貰うことだろう、多分。私女子だから婿に貰う形になるけれど。それ以外の責任の取り方があるならあまんじて受け入れよう。どう？とテレにもちかけてみるも、先程よりも朱に染まった顔で大きな口をぱくぱくとさせるだけだった。


『Aヌナ、あんまりそういうこと冗談でも言っちゃダメですよ。ヒョンは真に受けちゃいますから』


『ヌナはおれが認めた人とじゃないと許さないです』


ゴヌクにはまた諭されるし、ユジンは謎に拗ね出すしジュンヒョンは俺とも！なんて騒ぎ出す。年下をからかいすぎたかな、と思い今度みんなにお菓子あげるから許してと話すと、ころっと態度が変わるから可愛いものだ。


『…ヌナってほんと、ずるいです』


テレだけはまだ、納得の言ってない様子だけど。

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