Violeta 2

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『こんにちは、Aです。よろしくお願いします』


目の前にいるのはソクフンマスターにLipJマスター、ヨンジュンマスター。
欲を言うとソルジマスターにも見て欲しかったな、なんて。こうしてマスターの方々に見ていただける機会を作ってくださってるからそれだけで十分なのだけれど。


準備体制に入る。心臓のと音がやけにうるさい。イントロの音が聞こえるか不安なくらいだ。
落ち着くためにひとつ深呼吸をすると、不思議なくらい静かに感じた。最近、調子がいいな。今日もきっと、大丈夫。


馴染みのあるイントロが聞声始めた瞬間、目を開ける。私のことをしっかりと捉えてくださってる御三方の瞳はギラギラとしていて、私のことを真正面から評価しようとしてくださってる事がひしひしと伝わる。


私が思ってることを、私の想いのままにこの歌と、ダンスで伝えるだけ。あわよくば、見てる練習生のみんなだとか、テレビで見てくださるであろうスタークリエイターの皆様の心にまで伝えられることが出来たら。


振りも間違えず、発生もしっかりできてる。マスターの方々が節々に反応してくださるから踊ってるだけで自然と笑顔が出てくる。踊るって、歌うって、見て貰えるって、幸せで尊いものだ。


KグループとGグループ、国境を越えた私たちだけれど、ひとつの大きな夢を抱いてここにきているという点では全くもって一緒で、そんな皆とだから、私は、私たちはこうして輝けるんだ。


ここにきて改めて思い知った私のアイドルになりたい、という思いは、ここに居るだけでずっと加速していくし、周りのみんなに即発されて指数関数的に爆発すると思う。
でも、皆とならって、理由付けをすることで、もっと頑張れる。


再評価時の歌詞を私なりに読み込んで、思いを加えて、今日に込める。
ここは私にとってのスタートラインで、今日からがみんなの前で輝き始める初日だから。


最後のポーズ。しっかり指先に力を込めて、指を伸ばす。指先をゆっくりと見てから、マスター方のほうを向き直り、終わったことに安心して笑みがこぼれる。
楽しかった、と小さく母国語で呟いた様は聞こえていないようだった。


お疲れ様でした、と先生方に送り出され、もう一度深く頭を下げる。
私の全部をだしきったから、この結果なら全て受け入れよう。
そう思いつつも、どこかオールスターを願ってしまう私がいた。

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