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『ヌナ!俺の事そんなふうに思ってくれてたんですか!』
私の方にやって来て肩をパンパンと叩くジュンヒョン。テンションが高いのか、叩く度にいい音が廊下に響く。これだからジュンヒョンには聞かれたくなかったのだけれど。はあ、とついたため息はジウンオッパの言葉にかき消された。
『てかA、俺の名前はどうして挙げないの?深い仲なのに』
『仲の良さと顔の好みはイコールではないですから。オッパも勿論かっこいいですよ』
そう伝えたけれどもあまり腑には落ちていないようだ。整ってると好みは似てるようで遠いのだから仕方の無いことだろう。それよりも、少し離れたところで目をぱちぱちと瞬きさせているスンファンさんを無視することは出来ない。あの会話の後なので少し話しづらいが、意を決して声をかけた。
『...すみません、話したこともないのにこんな話題で名前をあげてしまって』
私の言葉に再度驚いたように目を見開き、大きく首を左右にする。スンファンさんはリアクションが大きい人だ。あまり話したことがなかったからか、少し意外に感じる。
『全然、謝る必要はなくって、ただ、嬉しいけど恥ずかしいだけだから、気にしないで、A。オレ、Aと話してみたかったからこういう機会とはいえ話せて嬉しい』
口元にいた手はゆるりと首の後ろに回され、視線は噛み合わない。まだ恥ずかしがっているのだろうか。こんなにもかっこよくてスタイリッシュなスンファンさんが照れている様はどこか可愛らしくて、こういうのが所謂ギャップ萌えなのかと感じた。
『私もオッパと仲良くなりたかったので嬉しいです。本当はもっと当たり障りのない馴れ初めが良かったんですけど』
『A、オレのことオッパって呼んでくれるんだ』
嬉しい、と小さく呟くスンファンオッパ。せっかく目が合ったと思ったのにまた顔を背けられてしまった。そんなに恥ずかしがられると、こちらまで照れてくるものである。そんな私たちを見てられなくなったのか、ジウンオッパとジュンヒョンは部屋に戻ろうと言い出して私たちも連れていかれた。
『俺は頼まないと読んでくれなかったのに、スンファンのこともそうやって呼ぶんだ』
『ヒョンは妖しさ満点ですからね』
『言えてる』
2人ともうるさい、とジュンヒョンとスンファンオッパを制止するジウンオッパはまるで本当のお兄ちゃんみたいだった。オッパ、どこか見透かされる感覚だからもはやアッパなんだよな、なんて。
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RUNA(プロフ) - いえいえ教えてくれてありがとうございます! (2023年4月4日 15時) (レス) id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - RUNAさん» コメントありがとうございます。こちらの作品ではチャギはパクハのことになっております。分かりづらかったりミスしていましたら申し訳ございません。 (2023年4月3日 21時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
RUNA(プロフ) - チャギってパクハでしたっけ? (2023年4月3日 13時) (レス) @page34 id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - 鈴木さん» コメントありがとうございます〜!そう言っていただけると嬉しいです(;;)これからもゆっくりと書いて行きますのでのんびりとお待ちいただけますと幸いです! (2023年3月30日 6時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
鈴木(プロフ) - クムとパクハが大好きすぎて頭抱えてます大好きです(;_;) チャギ呼びもクムの騒がしい感じも最高ですこれからも応援してます!!! (2023年3月27日 22時) (レス) id: 3e062d6061 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りあ | 作成日時:2023年3月17日 22時