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『ケイタヒョン、今僕達がAヌナとお話してたのに、横取りだ』
『俺がとったんじゃなくてAから来てくれたようなもんだけどね。焼きもち妬いてんの?マシュー』
佳汰の問いかけにそっぽを向き、別にそんなことないと答えるマシュー。元々の弟気質がここでたくさんのお兄ちゃんに囲まれて磨きがかかっている気がする。私たち3人の後ろから、ギュビンがとんとん、と背中を叩いてきた。
『Aヌナ、ケイタヒョンとも仲良いんだ』
『佳汰から話しかけてきてくれてね〜同じ日本出身だし、母国語で喋れるからやっぱり安心感は強いかな。あと同い歳だし』
私にとって同い年って気が許せる1番の相手なんだよね、と伝えるとおれは違うんですか、と可愛く訪ねてくるユジン。弟たちにはカッコつけたいし大人なヌナでいたいんだよと話すと、納得いったような納得いってないような感じでふーん、とだけ答えてギュビンと話し出した。
興味を無くすのが早いのもまるで猫みたいだ。
『Aヌナとケイタヒョンって身長同じくらいなんだね』
突然マシューがそう言い出し、佳汰と顔を向かい合わせる。意識してみれば、確かに良く目線が合うと感じていたのは、そこから来るのかもしれない。2人とも可愛いですね〜なんていつもとは反対に私たちの頭を撫でてくるマシュー。長い腕は、私よりも遠い佳汰の頭さえ易々と届いた。
『2人ともよく人の頭撫でてるし、双子みたい』
『いいなあそれ、今日から俺とAのケミ名はツインズやね。お互いが一番の理解者だし』
『それはヌナに聞かないとわかんないですよ。僕がヌナの1番最初のお友達だし、1番最初の弟だもん。Aヌナも僕にとって大事な大事なヌナだしね、僕だけの』
『マシューだけのじゃないけどね、俺の相棒だけどね』
こんな投げ掛け合いから逃げてきたのに、逃げた先でも言い合うふたりの間に挟まれる。付き合いきれないと思って先に一人で集合場所に向かうことにした。
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『はあ、Aヌナがここに出る前に僕の前に来てくれたら良かったのに…そしたら僕だけのヌナになったのになあ』
『ねえ、ヒョン』
まるで悪気なく、ただ純粋に自分の欲望を口に出すマシュー。彼はそのひたむきな気持ちが、酷く歪んだ独占欲であることを理解していないようだ。ひたすらに彼女に真っ直ぐな愛を向けている様は純真無垢故に、苦笑いする他なかった。
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てよん。(プロフ) - りあさん» エッ絶対そうですよね!?わかります、、同意しかないです。最近はこの小説を楽しみに生きてます!いつもありがとうございます!! (2023年3月15日 18時) (レス) @page50 id: d7164918de (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - てよん。さん» わかります...気づいたら沼でしたね...彼はほんとに嫌がられるまでは可愛くお願いするタイプだと思ってるので!!!(大声) (2023年3月12日 12時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
てよん。(プロフ) - りあさん» パクハの可愛さに気づいてからは終わりでした…本編チャギ呼び継続してくださって嬉しい限りです!!ほんと感謝、、生きていけます() (2023年3月10日 13時) (レス) id: d7164918de (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - てよん。さん» コメントありがとうございます!パクハ多方面のオタクを沼入りさせそう(偏見)って感じで私も滾ってますチャギ呼びどうしましょうかね...?(笑) (2023年3月9日 19時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - もえさん» コメントありがとうございます(;;)個人的にパクハ大好きですし書くのも楽しいので嬉しいです...! (2023年3月9日 19時) (レス) id: 103a13316a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りあ | 作成日時:2023年2月28日 21時