【男主】実況者界からの刺客とか聞いてない【歌い手】 (ページ5)

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６　長い時間ページ5

俺は今日、実況者としての８年に幕を閉じた。
これは、正しい事だと思っている。
どうせ、もうそろそろ、潮時だと思っていたし。

本当は、もっと、続けたかったけど。
「夢は、ニコニコ超会議だ！」とか、言っていた時期が懐かしく思える。

『はあ、終わった』

うん、気持ちがいい終わり方だよな。
パソコンの画面に映っている、次に上げようとしていた実況動画を横目にそう、呟いた。
ぐぐーっと、背伸びをして、コーヒーでも飲もうとキッチンに向かおうとしていたその時。
ピンポーンとインターフォンが鳴った。

めんどくせえ、と思いながらも、頼んでいたゲームだったら嫌なので、重い足取りで、
玄関へと向かう。

『はい』といちよう、口に出し、ドアを開けると、そこにいたのは、宅配のお兄さん、ではなく、
友達のるいであった。
「やっほっほー」と軽い挨拶を済ませ、俺の家へ上がってこようとするるいを必死で阻止する。

『なんか用？用件だったら、ここで聞く』

そいつの肩を軽く、押しながら、そう伝えた。
すると、

「嫌だなあ、友達でしょ？意味深なツイート見て、大丈夫かなあって心配になってきたのに」

ケラケラと独特な笑い方をその場に響かせながら、ひらひらと手を振るるい。
目頭を数秒、抑えた後、仕方なく、彼を家へと入れた。
コイツには、何故か、強く当たることが出来ない。

小学校時代からの長い付き合いだからだろうか。
フラフラ～とリビングへと向かうるいの背中を見ながら、小さく溜息をついた。