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「...どういうつもりなの」
商店街から出る直前。
私は慧にそう聞いた。
「...それはこっちのセリフだよ」
ぼそっと呟く慧。
さっきはちゃんと見れなかったけど慧の顔はいつもに増して真っ白で私を掴む手も前より細くなっていた気がした。
「こんな遠いところで何してたの。しかもあんな汚い店で...」
慧の手の力はどんどん増していった。
「痛い...」
「痛いのは俺の心だよ!!」
間髪入れずに慧はそう言った。
...はあ?
【痛いのは俺の心】?
それ、あんたが言うわけ?
私がずっと溜め込んでたその言葉をあんたはそんな軽々しく...
「もう無理って言ったじゃない」
私はきっと慧を睨んだ。
「私は慧のその傍若無人な態度が大嫌いよ...!」
私がそう言い終わると同時に慧は私の唇を奪った。
懐かしい味がした。
「ん、ふぅっ...!!」
舌も入ってきての口内は慧でいっぱいになった。
長い激しいキスのせいで私の意識は酸欠で朦朧とし始めていた。
やっと離してもらえたと同時に私は地面に座り込んでしまった。
「...そういうことね」
慧はそう小さく呟いた後、私の髪の毛をを掴んだ。
「Aまで俺を捨てるわけないよね...?!」
慧の瞳孔は開ききったままだった。
「絶対、そんなこと許さないから...」
そう言った慧の足はまた繁華街へと戻っていった。
もちろん私を掴んだまま。
周りの人にどう見られてたかは私にはわからない。
そして慧が向かった先は華やぐホテルだった。
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犲(プロフ) - たまさん» はじめまして。コメントありがとうございます…!!影のある男の人ってなんだか魅力的ですよね、、ほんとにわかります!嬉しいです(泣)また感想とかコメント送ってくださると已然やる気も出るのでぜひお願いします!!コメントほんとにありがとうございます! (2020年5月19日 1時) (レス) id: 3cf9a29568 (このIDを非表示/違反報告)
たま(プロフ) - はじめまして、犲さん。普通に考えればこのお話の中の伊野尾さんは、すごく嫌な奴でしょうけど、、、好きです(^ ^)このお話をキッカケに犲さんのお話いろいろ読ませて頂いてます。頑張って下さい。 (2020年5月18日 22時) (レス) id: 7eb7ca4e2e (このIDを非表示/違反報告)
犲(プロフ) - 侑李の嫁さん» 私もコメントの通知来てめちゃくちゃ嬉しかったです...!!コメントって本当に力になるので嬉しいです!こちらこそありがとうございます!こらからもよろしくお願いします! (2019年3月23日 20時) (レス) id: b752f57a42 (このIDを非表示/違反報告)
侑李の嫁(プロフ) - こんなに丁寧にコメントして下さって、ありがとうございます!!レスのお知らせがきて、嬉し過ぎて、、、 (2019年3月23日 18時) (レス) id: 6aa2a9ae5c (このIDを非表示/違反報告)
犲(プロフ) - 侑李の嫁さん» 最後まで読んでくださってありがとうございます!本当ですか!そんなこと言っていただけるなんて嬉しいです!!コメントほんとにほんとに嬉しいです!!ぜひ仲良くしましょう!! (2019年3月23日 18時) (レス) id: b752f57a42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:犲 | 作成日時:2018年10月7日 3時