もすこみゅーる。【Daiki,A×Kei,I】 (ページ12)

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「お前……」

そんなの嘘だろって絶対ツッコまれる。

そんな覚悟はしていたのだが。

「酒に酔ってまさか捨て猫拾ったの？！待って、死ぬほど面白いんだけど！」

そう言い腹を抱えて中島はゲラゲラと笑いだした。

まさか乗りきったのか…？

なんて俺がぽかんとしていると

「なんか有岡ってほんっと優しいよな、いやあその拾ってる姿とかめっちゃ想像出来て面白いわあ」

「そ、そんな笑わなくてもいいだろ〜…」

「え、でもてかさ。有岡んち確かペット禁止だったことない？え、どうするんだよその子。飼えないじゃん」

そこまで来てふと俺は思い至る。

………あれ、なんかこの話、上手い具合に慧を猫と仮定したら相談できそうじゃね…？

そう思いついた俺はすぐに中島の話に合わせることにした。

「あ、そうそう。そうなんだよ〜ただ、その子を果たしてどこで拾ったのか覚えてなくてさ。でもなんとなく飼い猫っぽいし飼えないから野に放つ訳にもいかないし、どうしようか悩んででさ〜…」

「うわーなるほど。そういうことか」

人の良い中島はうんうんと頷くと一緒に考えてくれた。

「まあとりあえずどこで拾ったかだな…その日はどこまでの記憶がある感じ？」

「それが、バーに行って酒を飲んでバーテンと話してるうちに寝落ちしたとこまでしか覚えてないんだよなあ」

そう俺がありのまま話すと、中島はうーんと唸りながら

「てかお前そこまでしか記憶ないのによく家まで帰れたな…」

なんて呟く。

いや、それは本当にごもっともなのですが。

「まあとりあえずそのバーテンに聞いてみたら？だって有岡、何で帰ったかも記憶ないんだろ？タクシーで帰ったんだったらタクシー拾うまでの店の近くか、家着いてから拾ったんだろうし、電車で帰ったなら最寄りから家までの道で拾ったんだろうし？まあそんなとこじゃね？」

そんな名推理を繰り広げてくれた中島だったが、申し訳ないことに俺は後半の言葉はよく聞いてなかった。

ただわかったのは……

そう、あの時のバーテンに聞けば全ては解決するのだということ。

そして何故こんな簡単なことに気づけなかったか、相当自分が追い詰められていたんだということを知った。

俺はバッと中島の手をとると

「中島！本当にありがとう！！！！！」

中島はぽかんとはしていたが、そのうち笑顔になり

「飼い主見つかるといいな」

なんて優しい言葉をかけてくれた。